羽毛布団の匂いをすぐに取る方法4選!原因とシーズン別の対策も解説

「買ったばかりの羽毛布団から匂いがする!このままでは眠れないかも…」

「羽毛布団から変な匂いがして気になる。使い続けたいのに、どうしたら消せるのだろう?」

このようなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。

実は、新品の羽毛布団であれば多少の匂いがあるのが一般的です。通常は2~3週間ほど使っていくうちに軽減されるので、特別に心配する必要はありません。

とはいっても、せっかく買った羽毛布団ですから、一刻も早く匂いを消して今夜から使いたいですよね。

ご安心ください。羽毛布団の匂いはその場ですぐに軽減させることが可能です。詳しい方法は後述しますが、「湿気を逃す」という対策を取ることにより、羽毛布団の匂いは軽減されます。

ただし注意していただきたいのは、これはあくまでも応急処置ということです。

その場で匂いを軽減できたとしても、使っていくうちに湿気が溜まって匂いが再び生じることがあるため、継続的な対策が必要になります。

そこでこの記事では、以下の内容をまとめて説明していきます。

▼本記事の内容

・購入したばかりの羽毛布団の匂いを今すぐ軽減させる方法4つ

・羽毛布団の匂いの取り方でよくある間違い3つ

・【原因別】購入後の羽毛布団の匂いの対処法(※買い替えを含む)

・羽毛布団の匂いを軽減できず悩む場合の対処法

・【シーズン別】羽毛布団の匂いを強くしないための対策

・将来羽毛布団を新調するとき匂いに悩まされないための買い方

読んでいただければ、羽毛布団の匂いを軽減させる応急処置と、今後匂いを再び強くさせないための対策が分かります。

この先も羽毛布団の匂いに悩まされることなく使い続け、快適な睡眠も取れるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

1. 購入したばかりの羽毛布団の匂いを今すぐ軽減させる方法4つ

冒頭でも説明した通り、新品の羽毛布団の匂いは使っていくうちに薄れてきますが、気になるようであればその匂いをすぐ軽減させることができます。

次の4つが、購入したばかりの羽毛布団の匂いを今すぐ軽減できる対処法です。

1. 羽毛布団内部の湿気を外に出す

2. 日陰干しを3~4時間程度行う

3. 天日干しを1時間程度行う

4. エアコンの除湿機能を使って風を通す

1つずつ説明していきましょう。

1-1. 羽毛布団内部の湿気を外に出す

1つ目の方法は、羽毛布団内部の湿気を外に出すことです。

この方法によって匂いを軽減できるのは、匂いの一因である羽毛の油脂(動植物由来の脂肪)が布団に広がることを防げるからです。

羽毛には本来、油脂の匂いがあり、湿気に触れるとこの油脂が溶け出します。そのため、羽毛布団内部の湿気を外に出すことは、匂いを軽減する効果的な方法なのです。

次の手順で、羽毛布団内部の湿気を外に出してみましょう。

1. 羽毛布団を折りたたむ

2. 羽毛布団をゆっくり押して、中の空気を出す

3. 羽毛布団を元に戻して、新しい空気を入れる

4. 1~3を3~4回程度繰り返す

1-2. 日陰干しを3~4時間程度行う

2つ目の方法は、日陰干しを3~4時間行うことです。

以下の状況である場合に、向いている対処法になります。

【天候】

・晴れている

・乾燥している(湿度50%未満)

【生活環境】

・家の外に日陰干しできる場所(日が当たらない場所)がある

・家の中に日が当たらず、風通しの良い場所(窓がある部屋など)がある

上記の状況下で3~4時間の日陰干しをすると、匂いの一因である湿気や湿気によって生じた細菌を高確率で除去できるため、羽毛布団の匂い取りに最適です。

以下の方法で、羽毛布団を日陰干してみましょう。

【羽毛布団を日陰干しする方法】

【日陰干しの手順】

1. 布団カバーをかけたまま、物干し竿に羽毛布団をかける

2. 羽毛布団の片面を1.5~2時間ほど日陰干しする

3. 羽毛布団の裏面を1.5~2時間ほど日陰干しする

【ポイント】

・午前10時~午後3時までの間に干す(日が昇って湿度が低くなる時間帯のため)

・「1-1. 羽毛布団内部の湿気を外に出す」とセットで行うと高い効果を発揮する

※順番としては、羽毛布団内部の湿気を外に出す→日陰干しを3~4時間行う

・扇風機やサーキュレーターを併せて使うと、湿気を早く逃がせる

【注意点】

・直射日光は避ける(羽毛に傷みを生じさせないため)

・布団カバーは取らない(羽毛に傷みを生じさせないため)

・強くたたかない(羽毛を直接覆っている生地「側生地」や羽毛を傷めないため)

1-3. 天日干しを1時間程度行う

3つ目の方法は、天日干しを1時間程度行うことです。

本来、羽毛布団の干し方としておすすめなのは羽毛への直射日光を避けた日陰干しです。しかし、適切な干し方に注意すれば、天日干しが匂い取りに有効です。

天日干しにより、湿気によって生じた細菌を紫外線によって死滅させることが期待できます。

天日干しは、特に以下の状況に向いている対処法です。

【天候】

・晴れている

・乾燥している(湿度50%未満)

【生活環境】

家の外で天日干しできる場所(日の当たる場所)がある

以下の方法で、羽毛布団を天日干ししてみましょう。

【羽毛布団を天日干しする方法】

【天日干しの手順】

1. 布団カバーをかけたまま、物干し竿に羽毛布団をかける

2. 羽毛布団の片面を30分ほど天日干しする

3. 羽毛布団の裏面を30分ほど天日干しする

【ポイント】

・午前10時~午後3時までの間に干す

・「1-1. 羽毛布団内部の湿気を外に出す」とセットで行うと高い効果を発揮する

※順番としては、羽毛布団内部の湿気を外に出す→天日干しを1時間程度行う

【注意点】

・1時間以上天日干ししない(羽毛に傷みを生じさせないため)

・布団カバーは取らない

・強くたたかない

1-4. エアコンの除湿機能を使って風を通す

4つ目の方法は、エアコンの除湿機能を使って風を通すことです。

以下の状況に向いている対処法になります。

【天候】

・雨が降っている

・湿気がある(湿度50%以上)

【生活環境】

羽毛布団を干すのに適切な場所がない

エアコンの除湿機能は、風を通すことで空気の水分を外に出して湿度を下げる機能です。羽毛布団の匂いを生じさせている湿気も取り、匂いを軽減できることがあります。

以下の方法で、エアコンの除湿機能を使って風を通してみましょう。

【羽毛布団にエアコンの除湿機能で風を通す方法】

【エアコンの除湿機能で風を通す方法】

1. エアコンのある部屋に羽毛布団を置く

2. 除湿機能の温度は25度、湿度は40~50%程度に設定する

3. 羽毛布団の片面を1.5~2時間ほどエアコンの風にあてる

4. 羽毛布団の裏面を1.5~2時間ほどエアコンの風にあてる

【ポイント】

部屋の窓やドアを開けて換気をする(羽毛布団に再び湿気が戻らないようにするため)

・扇風機やサーキュレーターを併せて使う(空気の循環を良くするため)

羽毛布団の湿気を取るのに布団乾燥機ではだめ?

「羽毛布団の湿気を取るのに布団乾燥機を使っても良いのでは?」と思われる方もいるかもしれません。

結論からいうと、羽毛布団に布団乾燥機を使うのはあまりおすすめできません

羽毛に熱を加え過ぎてしまうと、必要な油脂が失われたり、羽毛自体が割れたりするためです。そうなると、羽毛の良さであるふんわりとした触感と保温性が失われることになります。

ただし、お持ちの布団乾燥機に、羽毛布団の乾燥モードがあれば使って良いです。低温かつ短時間(目安:約50度で1時間程度)で乾燥させるような仕組みになっていることが多いため、羽毛の機能が低下するのを防げます。

2. 羽毛布団の匂いの取り方でよくある間違い3つ

羽毛布団の匂いの取り方に関して、多くの人が勘違いしていることがあります。

主なことは、次の3つです。

1. 羽毛布団の匂いは完全に消せる

2. 消臭剤/消臭スプレーで匂いを消せる

3. クリーニングをすると匂いがなくなる

上記はよくある間違いであることを知っておけば、羽毛布団の匂いの取り方に関する正しい知識を得られます。1つずつ説明していきましょう。

2-1. 羽毛布団の匂いは完全に消せる

羽毛布団の匂いを完全に消すことは難しいです。これは、羽毛には一定程度の油脂が残される必要があるためです。

羽毛布団の製造工程では、油脂の匂いを取り除くために洗浄作業が行われますが、完全に除去することはできません。

油脂を完全に除去してしまうと、羽毛が傷みやすくなり、ふんわりとした触感や温かさといった羽毛布団ならではの特性を実現できなくなるためです。

このような羽毛布団の良さを引き出すためには、ある程度の油脂を残す必要があり、そのため、どうしても匂いは残るのです。

つまり、羽毛布団の匂いは「消せる」ではなく「軽減できるもの」と考えるべきでしょう。

もし匂いに敏感で完全に除去したい場合は、他の素材の布団への買い替えを検討する必要があります。

2-2. 消臭剤/消臭スプレーで匂いを消せる

消臭剤/消臭スプレーでは羽毛布団の匂いを消せません。

消臭剤/消臭スプレーを吹きかけても、匂いの原因にはアプローチできないからです。

前述した通り、羽毛布団の匂いの一因は羽毛についた油脂です。消臭剤/消臭スプレーは羽毛布団の側生地に吹きかけるものであるため、羽毛についた油脂まで届きません。

油脂という根本的な匂いの原因を解消できないのです。

消臭剤/消臭スプレーは羽毛布団の匂いを表面的に解決できる手段ではありますが、一時的であるため、スプレーの効果が薄れたら匂いが戻る恐れがあります。

2-3. クリーニングをすると匂いがなくなる

クリーニングをしても匂いがなくなるわけではありません。

クリーニングは、羽毛布団を使用していて付着した汚れ(人の皮脂や汗、ホコリなど)を取り除くために行われるものです。

通常、購入したばかりの羽毛布団は検品済みであり、人の皮脂や汗、ホコリなどの汚れがついていることはめったにありません。こうした羽毛布団をクリーニングに出すと、匂いが和らぐことはありますが、完全に消えることはないのです。

実際に羽毛布団をクリーニングに出すのは、羽毛布団の劣化を防ぐためであり、一般的には購入後の5~7年ごろに1回程度、その後も同様に頻度を抑えて行われます。

羽毛布団の匂いを軽減させるためには、まず「1. 購入したばかりの羽毛布団の匂いを今すぐ軽減させる方法4つ」で説明した対処法から試すことをおすすめします。

3. 【原因別】購入後の羽毛布団の匂いの対処法(※買い替えを含む)

ここまで羽毛布団の匂いを今すぐ軽減させる方法や、よくある間違いを説明してきましたが、そもそも羽毛布団に匂いが生じてしまうのはなぜなのでしょうか。

羽毛布団に匂いが生じる原因は、主に次の5つです。

1. 羽毛布団が高温多湿の環境で保管されている

2. 羽毛の種類にダックが使われている

3. 羽毛の比率が低い

4. 羽毛の洗浄力が不足している

5. 羽毛の加工剤や殺菌加工による匂いが付く

原因を知れば、現在の羽毛布団の匂いは何によって引き起こされているのか、そしてどのように解決できるのかが分かります。

それぞれの原因に対する匂いの対処法や、匂いが気になる場合の布団の買い替え基準も紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

3-1. 【羽毛布団が高温多湿の環境で保管されている】湿気を逃す

1つ目の原因は、羽毛布団が高温多湿の環境で保管されていることです。

「高温多湿の環境」とは、以下のような環境を指します。

▼高温多湿の環境

・羽毛布団がしまわれている収納ケースの中

・羽毛布団のケースが複数重なって保管されている倉庫や棚

特に、新品の羽毛布団によく見られる状況です。

羽毛布団が密閉された環境の中で保管されると、その空間の温度と湿度が上昇し、羽毛の油脂が広がって匂いが生じる可能性があるのです。

しかし、羽毛布団を使用する際には密閉された状態ではなくなるため、2~3週間ほど経てば、匂いは軽減されるでしょう。

1. 購入したばかりの羽毛布団の匂いを今すぐ軽減させる方法4つ」で紹介されている対処法(湿気を逃す)を試すことで、すぐに匂いを和らげることも可能ですよ。

3-2. 【羽毛の種類にダックが使われている】グースの羽毛布団を選ぶ

2つ目の原因は、羽毛の種類にダック(アヒル)が使われていることです。

ダックには匂いの一因である油脂が溜まりやすい体質があるため、匂いの原因となります。

そもそも、羽毛布団にはダックとグース(ガチョウ)の2種類の水鳥の羽毛が詰め物の素材として使用されます。どちらの羽毛にも動物性の脂肪である油脂が含まれますが、この油脂の「溜まりやすさ」には違いがあるのです。

油脂が溜まりやすいかどうかは、以下のように、食べる餌と飼育期間が関係してきます。

【ダックとグースの匂いに関連する特徴の違い】

ダック

グース

食べる餌

植物や肉など(雑食)

主に植物(草食)

飼育期間

短い(数カ月)

長い(半年~4年程度)

匂いの溜まりやすさ

溜まりやすい

溜まりにくい

ダックは雑食であり、動物の肉も食べるため、油脂が溜まりやすい傾向があります。また、飼育期間が短く羽毛が小さいため、洗浄が細部まで行き届かず、油脂も残りやすくなるのです。

一方、グースは草食であり、動物の肉は食べません。そのため、油脂が溜まりにくい傾向があります。また、飼育期間が長く羽毛も大きいため、洗浄が細部まで行き届き、除去が必要な油脂が残りにくいのです。

つまり、もしどうしても匂いが気になるようであれば、グースの羽毛布団を新しく選ぶということも対処法になります。

3-3. 【羽毛の比率が低い】羽毛の比率80%以上の布団を選ぶ

3つ目の原因は、羽毛の比率が低いことです。これにより、洗浄作業では落としきれない油脂が多く残るためです。

そもそも羽毛布団は、水鳥の羽毛(ダウン)と羽根(フェザー)の2つの素材を詰め物として使用しています。一般的な比率は、羽毛が50%以上で、羽根が50%以下です。

羽毛は芯がない毛ですが、羽根は芯がある毛です。

どちらにも匂いの一因である油脂が含まれるのですが、羽根の方が油脂の割合は多くなります。羽根の芯にも油脂が溜まっており、洗浄作業では完全に除去することが難しいのです。

そのため、油脂が多い羽根の比率が高く、羽毛の比率が低い場合は、匂いが発生しやすくなるといえます。

羽毛布団において「羽毛の比率が低い」とは、羽毛80%未満の割合を指します。つまり、羽毛の比率が80%以上の布団を新しく選ぶことで、匂いに悩むことは少なくできるでしょう。

3-4. 【羽毛の洗浄力が不足している】洗浄度が500mm以上の日本製を選ぶ

4つ目の原因は、羽毛の洗浄力が不足していることです。これにより、除去が必要な油脂が残ったままの状態となり、匂いの原因となります。

前述した通り、羽毛布団の製造工程では、羽毛の洗浄作業が行われます。

通常、この洗浄作業によって匂いのもととなる油脂は除去されますが、洗浄作業の検査基準が甘い場合、洗浄力の不足を招き、油脂を完全に落とすことができません。

洗浄作業の検査基準が甘いかどうかは、羽毛布団のパッケージや商品ページに記載されている以下の情報から判断することができます。

1. 羽毛の洗浄度(清浄度)

洗浄度(清浄度)とは、羽毛がどれだけ洗浄されているかを示す数値です。

パッケージや商品ページでは、「洗浄度(清浄度)〇mm以上」と表示されています。

洗浄度が高いといえるのは、日本羽毛製品協同組合が定める500mm以上(※)のため、500mm以下であれば洗浄作業が不十分と考えられます。

2. 羽毛布団の製造地

羽毛布団は様々な国で製造されています。日本では洗浄作業の検査基準が厳格に定められていますが、他の国では全てではないにしても、洗浄作業の検査基準が甘い傾向があります。

つまり、羽毛の洗浄度が500mm以上の日本製の布団を選ぶことで、匂いに悩まされることは少なくできるでしょう。

3-5. 【羽毛の加工剤や殺菌加工による匂いが付く】自然に消えるのを待つ

5つ目の原因は、羽毛の加工剤や殺菌加工による匂いの付着です。加工剤や加工内容によっては、独特の匂いが生じることがあります

特に、「オゾン加工」という匂いや雑菌、ダニ、害虫の発生を抑える加工が施されていると、多少匂いが生じることがあります。

羽毛に付く油脂は獣臭のような匂いですが、オゾン加工による匂いはカビのような匂いであることが特徴です。

ただし、加工剤や加工による匂いも、たいていは羽毛布団を2~3週間ほど使っていくうちに自然に消えていくものです。

加工剤や加工によって生じる匂いは、購入者自身ではどうにもできないものですので、自然に消えるのを待つことが対処法となるでしょう。

4. 羽毛布団の匂いを軽減できず悩む場合は販売店に問い合わせる

ここまでの対策を検討しても羽毛布団の匂いを軽減できず悩む場合は、販売店に問い合わせることをおすすめします。

販売店は、一般的には羽毛布団に関する知識を持っており、匂いの問題を解消するアドバイスを提供してくれる可能性があります。

具体的には、商品に応じた匂いの取り方や、季節に適した対策などを教えてもらえるかもしれません。

また、一部の販売店では、一定期間内に問い合わせると返品や交換の対応をしてくれる場合もあります。

羽毛布団を通販やオンラインショップで購入した場合は、商品ページに記載されている問い合わせページを利用し、実店舗で購入した場合は電話や直接店舗を訪れて問い合わせると良いでしょう。

販売店のサポートを受けることで、匂いの問題に対して適切な解決策が見つかるかもしれません。

5. 【シーズン別】羽毛布団の匂いを強くしないための対策

購入したばかりの羽毛布団の匂いは「1. 購入したばかりの羽毛布団の匂いを今すぐ軽減させる方法4つ」の対処法を行えばすぐに軽減できます。

しかし、将来の匂いの問題を避けるためには、羽毛布団の今後の取り扱いに注意する必要があります。

羽毛布団を長く使用し、匂いの問題に悩まされることなく快適に過ごすためには、以下の3つのタイミングで匂い対策を継続することが重要です。

順番に説明していきましょう。

5-1. シーズン中

シーズン中に行うべき羽毛布団の匂い対策には、次の2つがあります。

1. 羽毛布団内部の空気を押し出す

2. 月に1~2回干す

順番に見ていきましょう。

5-1-1. 羽毛布団内部の空気を押し出す

1つ目の対策は、羽毛布団内部の空気を押し出すことです。これによって、匂いの一因である湿気を外に逃がすことができるでしょう。

羽毛布団を使っていくうちに、体からの汗などによって、内部の羽毛に湿気が溜まっていきます。羽毛に溜まった湿気をそのままにしておくと、羽毛に付着している油脂が溶け出して匂いが強くなることがあります。

そのため、使用するシーズン中も羽毛布団内部の空気を押し出し、湿気を外に逃がす対策が必要なのです。

やり方は「1-1. 羽毛布団内部の湿気を外に出す」と同じです。月に1~2回程度の頻度で行うことをおすすめします。

以下にやり方を再掲しますので、ぜひ試してくださいね。

1. 羽毛布団を折りたたむ

2. 羽毛布団をゆっくり押して、中の空気を出す

3. 羽毛布団を元に戻して、新しい空気を入れる

4. 1~3を3~4回程度繰り返す

5-1-2. 月に1~2回干す

2つ目の対策は、月に1~2回羽毛布団を干すことです。これによって、羽毛布団に生じた細菌を死滅させることができ、匂いが発生しにくくなります。

湿気が溜まった羽毛布団は、細菌の繁殖が進みやすくなります。細菌も匂いの一因です。

細菌は乾燥や紫外線によって死滅します。羽毛布団を干すことで、乾燥させたり、紫外線を当てたりすることができるため、匂いが強くなるのを防げるでしょう。

羽毛布団を干す方法としては、基本的には日陰干しが良いですが、干し方に注意すれば天日干しでも問題ありません。

やり方は、「1-2. 日陰干しを3~4時間程度行う」や「1-3. 天日干しを1時間程度行う」と同じです。以下に再掲します。

【日陰干しと天日干しのやり方】

羽毛布団の干し方

干し方

日陰干し

1. 布団カバーをかけたまま、物干し竿に羽毛布団をかける

2. 羽毛布団の片面を1.5~2時間ほど日陰干しする

3. 羽毛布団の裏面を1.5~2時間ほど日陰干しする

天日干し

1. 布団カバーをかけたまま、物干し竿に羽毛布団をかける

2. 羽毛布団の片面を30分ほど天日干しする

3. 羽毛布団の裏面を30分ほど天日干しする

どちらも天候が晴れていて乾燥している日に行うようにしましょう。

羽毛布団は頻繁に干さない!

羽毛布団は月に2回以上、頻繁に干す必要はありません。他の素材の布団とは異なり、水分を吸ったり、発散させたりする性質に優れているためです。

頻繁に干してしまうと、羽毛を傷めることにつながり、早く劣化してしまう恐れがあります。

羽毛布団を長く使うためにも、月に1~2回干すことをおすすめします。

5-2. シーズン後

シーズン後に行うべき羽毛布団の匂い対策には、次の5つがあります。

1. 丸洗いできる羽毛布団は洗濯する

2. 丸洗いできない羽毛布団はつまみ洗いをする

3. 一度日陰干しもしくは天日干しする

4. 通気性のあるケースにしまう

5. 湿気の少ない場所に保管する

順番に見ていきましょう。

5-2-1. 丸洗いできる羽毛布団は洗濯する

羽毛布団が丸洗い可能なタイプであれば、洗濯を行いましょう。これによって、使っていくうちに羽毛に浸透した汗などを取り除くことができ、匂いの増加を防ぐことができます。

丸洗いできる羽毛布団をシーズン中ではなくシーズン後に洗濯する理由は、羽毛が持つふんわりとした触感や温かさを維持するためです。頻繁に洗濯すると匂いは和らぎますが、中の羽毛が傷んで機能が低下してしまう可能性があります。

羽毛の機能を長持ちさせるためには、丸洗いが可能な羽毛布団であれば、シーズン後の洗濯でも問題ありません。

丸洗いできる羽毛布団の洗濯方法は、取扱説明書に推奨されている方法が記載されている場合は、そちらに従ってください。

もし記載がない場合は、以下の手順を参考にして洗濯することをおすすめします。

1. 掛け布団用の洗濯ネットに羽毛布団をたたんで入れる

2. 洗濯機におしゃれ着用洗剤(中性洗剤)を入れる

3. 洗濯機の「毛布コース」あるいは「大物洗いコース」で洗濯する

5-2-2. 丸洗いできない羽毛布団はつまみ洗いをする​​

丸洗いできない羽毛布団の場合は、汗などで汚れが目立つ部分をつまみ洗いしましょう。

つまみ洗いは、羽毛布団への負担を最小限に抑え、細菌の増殖を抑えながら、匂いも軽減します

つまみ洗いの方法は、次の通りです。

1. おしゃれ着用洗剤(中性洗剤)を水で薄める

 ※どのくらいの水量で薄めるかは、おしゃれ着用洗剤に記載の分量に従う

2. 汚れが目立つ部分を手でつまんで洗う

つまみ洗いは少し手間がかかりますが、匂いに悩むことなく羽毛布団を長く使うために必要なことなので、ぜひ行ってみることをおすすめします。

もし目立った汚れがない場合は、つまみ洗いをする必要はありません。

羽毛布団をつまみ洗いするときはお湯を使わない!

羽毛布団をつまみ洗いするときは、お湯を使わないようにしましょう。お湯を使うと羽毛の油脂がほとんどなくなり、ふんわりとした触感と温かい性質が実現できなくなります。

2-1. 羽毛布団の匂いは完全に消せる」でも説明した通り、羽毛布団の機能を維持するためにも、ある程度の油脂が必要です。

水で洗うのが良いですが、羽毛布団の洗濯表示に水温の記載があればそれに従いましょう。

5-2-3. 一度日陰干しもしくは天日干しする

羽毛布団を一度、日陰干しもしくは天日干ししましょう。丸洗いやつまみ洗いをした羽毛布団はもちろん、洗わなかった羽毛布団も干します。

洗わなかった羽毛布団も干す理由は、使用したことによって羽毛に溜まった湿気を逃すためです。

シーズンが終わって羽毛に湿気が溜まったまま収納してしまうと、羽毛に付着した油脂や汗などが蓄積され、広がり、匂いが強くなる可能性があります。

シーズン後の日陰干しと天日干しは、これまで説明してきたやり方(5-1-2. 月に1~2回干す)と同じです。

羽毛布団を一度、日陰干しもしくは天日干しをしてから収納するようにしましょう。

洗った羽毛布団は半乾きにしない!

洗った羽毛布団を干すときは、半乾きにしないようにしましょう。

乾ききっていないままだと湿気が溜まって匂いが強くなるだけでなく、カビやダニが発生して劣化につながります。

中の羽毛も乾ききっているかを確認することは難しいですが、前述した日陰干しや天日干しのやり方を行えば2~3日ほどで乾くのが通常です。

もし早く乾かして収納したいのであれば、扇風機やサーキュレーターを利用することをおすすめします。

5-2-4. 通気性のあるケースにしまう

羽毛布団を日陰干しあるいは天日干しをしたら、通気性のあるケースに収納しましょう。羽毛布団に湿気が生じるのを防ぐためです。

日陰干しあるいは天日干しをして羽毛布団を乾燥させても、通気性の悪いケースに収納すると再び湿気が溜まり、匂いを生じさせることになります。

以下は通気性の良いケースと悪いケースの例です。

【通気性の良いケースと悪いケースの例】

通気性の良いケース

通気性の悪いケース

布製のケース

ビニール製のケース

上記の通り、シーズン後に羽毛布団を収納するときは布製のケースを使いましょう。布製のケースがない場合は、羽毛布団を布で包んで収納するのがおすすめです。

羽毛布団は圧縮ケースに収納しない!

羽毛布団は圧縮ケースに収納しないようにしましょう。

羽毛が折れてふんわりとした触感がなくなる恐れがあるからです。

圧縮ケースに収納しないと場所を取るのが難点ではありますが、羽毛布団の機能を維持させるためには使うのを避けた方が良いです。羽毛布団をしまう場所を確保することをおすすめします。

5-2-5. 湿気の少ない場所に保管する

羽毛布団を通気性のあるケースにしまったら、湿気の少ない場所に保管しましょう。湿気のない場所に保管するのも、羽毛布団に湿気が溜まるのを防ぐために重要です。

羽毛布団を保管できるのが湿気が多い場所しかないようであれば、以下の対策を行うことで、保管場所の湿気を軽減させることができます。

【羽毛布団を保管する前の対策】

・保管場所に扇風機などで風を送る

・乾燥剤や除湿剤、スノコを置く

 ※ない場合は、丸めた新聞紙を置く

【羽毛布団を保管しているとき対策】

・保管場所に扇風機などで風を送る

・保管場所に除湿機をかける

・乾燥剤や除湿剤を取り替える

 ※丸めた新聞紙を置く場合は、新しい新聞紙に替える

羽毛布団の保管場所においても、極力湿気を溜めない対策を続けるようにしましょう。

羽毛布団はシーズン後でもしまいっぱなしにしない!

羽毛布団はシーズン後でもしまいっぱなしにしないようにしましょう。

前述したように、保管場所においても湿気を溜めない対策をするものの、羽毛布団そのものには湿気が溜まっている恐れがあります。

羽毛布団を使っていない間でも、1カ月に1回程度は保管場所から取り出して、日陰干しもしくは天日干しを行うことをおすすめします。

5-3. シーズン前

羽毛布団のシーズン前になったときは、使う前に一度日陰干しもしくは天日干しをしましょう。

羽毛布団の匂いを気にすることなく使えるようになるのはもちろん、新しい空気を送ることができるため、ふかふかの状態に戻すことができます。

シーズンになったらそのまま使うのではなく、天候や干す場所に合わせて日陰干しもしくは天日干しをしてから使用することをおすすめします。

6. 将来羽毛布団を新調するとき匂いに悩まされないための買い方2つ

最後に、将来羽毛布団を新調するとき匂いに悩まされないようにするための買い方を説明します。

1. 匂いが少ない羽毛布団を選ぶ

2. 可能であれば羽毛布団の販売店で実物を確かめる

順番に見ていきましょう。

6-1. 匂いが少ない羽毛布団を選ぶ

匂いが少ない羽毛布団を選ぶと良いです。

商品によって異なることもありますが、匂いが少ないのは一般的に次の特徴を持つ羽毛布団になります。

【匂いが少ない羽毛布団の特徴】

羽毛の種類

グース

羽毛の比率

80%以上

羽毛の洗浄度(清浄度)

500mm以上

羽毛の種類はグースがおすすめです。グースは草食で飼育期間が長いため羽毛のため、匂いの一因である油脂が溜まりにくいからです。

羽毛の比率は80%以上あると良いです。羽毛の比率が80%未満であると、油脂の多い羽根の比率が高くなります。

羽毛の洗浄度は500mm以上がおすすめです。日本羽毛製品協同組合が定めている洗浄度の高い数値のため、除去が必要な油脂が取り除かれている可能性が高いといえます。

上記の特徴は、商品によって異なることもありますが、以下で分かることが多いので確認してみてください。

【羽毛布団の特徴が分かるところ】

特徴の記載場所

記載例

・羽毛布団の品質表示票

・羽毛布団の商品ページに記載の商品説明/商品仕様

・羽毛の種類

 例①詰め物:グース/グースダウン

 例②素材:グース/グースダウン

・羽毛の比率

 例①詰め物:グースダウン〇%

 例②ダウン率:〇%

・羽毛の洗浄度(清浄度)

 例①洗浄度:〇mm/〇mm以上

 例②清浄度:〇mm/〇mm以上

上記の記載がなければ、通販やオンラインショップで買うのであれば販売店に電話もしくはメールで問い合わせるか、実店舗であればスタッフに聞くことをおすすめします。

6-2. 可能であれば羽毛布団の販売店で実物を確かめる

可能であれば、羽毛布団の販売店で実物を確かめるのもおすすめです。

羽毛布団の販売店には羽毛布団について熟知しているスタッフがいることが多いため、匂いについての疑問を直接聞くことができます。

通販やオンラインショップで良いと思う羽毛布団を見つけた場合は、その販売店を検索して実店舗がないかを調べてみると良いでしょう。

7. まとめ

買ったばかりの羽毛布団は、多少匂いが生じるものです。

通常は2~3週間使っていくうちに消えていきますが、以下4つの対処法を行えばすぐ匂いを軽減できます。

1. 羽毛布団内部の湿気を外に出す

2. 日陰干しを3~4時間程度行う

3. 天日干しを1時間程度行う

4. エアコンの除湿機能を使って風を通す

羽毛布団に匂いが生じてしまうのは、以下5つの原因があるからです。

1. 羽毛布団が高温多湿の環境で保管されている

2. 羽毛の種類にダックが使われている

3. 羽毛の比率が低い

4. 羽毛の洗浄力が不足している

5. 羽毛の加工剤や殺菌加工による匂いが付く

今後羽毛布団の匂いを強くしないためには、以下の対策を続ける必要があります。

【シーズン中】

1. 羽毛布団内部の空気を押し出す

2. 月に1~2回干す

【シーズン後】

1. 丸洗いできる羽毛布団は洗濯する

2. 丸洗いできない羽毛布団はつまみ洗いをする

3. 一度日陰干しもしくは天日干しする

4. 通気性のあるケースにしまう

5. 湿気の少ない場所に保管する

【シーズンになったら】

使う前に一度日陰干しもしくは天日干しする

将来羽毛布団を新調するとき、匂いに悩まされないためには以下2つの方法で買うのがおすすめです。

1. 匂いが少ない羽毛布団を選ぶ

2. 可能であれば羽毛布団の販売店で実物を確かめる

本記事で紹介した対処法や対策を行っていただければ、羽毛布団独特の匂いを軽減でき、悩むことなく長く使い続けられるでしょう。

ぜひ試していただき、羽毛布団で快適な眠りを実現してくださいね。

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