寝具メーカーの公式サイトに書かれた「睡眠の質が変わります」という表現を見て、「本当にそうなのかな?」と思ったことはありませんか?
疑り深い方なら「寝具で睡眠の質が変わるっていうエビデンスはあるのか?」と思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、寝具によって睡眠の質が変わるのは事実といえます。実際にそのことを示した研究結果や論文は、複数存在しているからです。マットレスを良いものに変えて1週間後に睡眠の質が向上したというものもあれば、逆に、合わない高さの枕に変えたら睡眠の質が低下したという研究結果を示した論文もあります。
この記事では、寝具と睡眠の質の関係を示した研究結果や論文をいくつか紹介するとともに、それらの研究から分かった「睡眠の質を上げる寝具の条件」について詳しく解説していきます。
本文では、敷き寝具(マットレスや敷布団)・枕・掛け布団・その他の寝具に分けて、それぞれ睡眠の質を上げる条件を詳しく解説していきます。
また最後には、睡眠の質を上げるおすすめの寝具メーカーについても紹介します。
寝具で本当に睡眠の質が上がるのかが知りたいという方や、睡眠の質が上がる寝具の条件を知りたいという方は、ぜひ最後までお読みいただき、寝具選びの参考にしてみてください。
1. 寝具と睡眠の質の関係性を示している研究結果
まずは、研究論文で「寝具と睡眠の質」について具体的に論じているものを紹介していきます。
❶寝具を変えたら睡眠の質が向上したことを示す研究結果
「寝具を変えるだけで睡眠の質が本当に変わるのか?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。これについては、以下のような研究結果があります。
2016年に同志社大学や京都文教短期大学の教員が共同で行った研究では、睡眠に不満を持つ男女11人に対して、高評価を得ている寝具(敷きぶとん)を4週間使用した後の身体変化を調べました。
4週間後にさまざまな検査を行った結果、睡眠の質や入眠時間などについて有意な改善が見られたことが分かっています。
この研究結果によって分かること 寝具(敷きぶとん)を変えるだけで、睡眠の質を向上させることができる |
参考:市販後調査で高評価を得た寝具使用による睡眠の質への作用:無対照オープンレベル試験
❷正しい寝姿勢で睡眠の質が向上したことを示す研究結果
寝具メーカー大手の西川が行った研究では、「身体に合わせた敷き寝具」と「合わせていない敷き寝具」で眠る場合に、睡眠の質が違うのかを調べる試験を行いました。
健康な成人男女18人を対象に、身体に合わせた敷き寝具(オーダーメイドマットレス+オーダーメイドまくら)を使ったチームと、合わせていない敷き寝具を使ったチームの睡眠の質を調べました。
その結果、身体に合わせた敷き寝具の方が、入眠しやすく睡眠が継続しやすいことが分かりました。また、起床時の眠気が残りにくいことも明らかになっています。
この研究結果によって分かること 身体に合わせた寝具を使った方が、睡眠の質が高くなる |
参考:西川公式サイト/身体に合わせた敷き寝具が睡眠の質改善!「身体に合わせた敷き寝具の睡眠の質改善に関する試験」を行いました
❸最適な枕より2cm高いと疲労感が増すことを示す研究結果
2006年9月に国際睡眠学会連合が「第5回学術大会における睡眠文化研究所の発表」で発表した検証結果によると、フィッティングして高さを調整した枕が睡眠の質を向上させることを示唆しています。
この調査では、50~59歳の健康な女性22人を対象に、首のカーブを計測してフィッティングして個人に最適化した枕と、それより2cm高い枕を使って、眠りの質を計測しました。その結果、2cm高い枕を使った場合には、最適な枕を使った場合と比べて、腰の痛みを2.8倍多く感じ、疲れを1.5倍多く感じる結果となっています。
さらに、最適な枕を使った場合の方が、朝起きた時の疲労回復感が高いことも示されています。
この研究結果によって分かること フィッティングして高さを調整した枕の方が、高い質の睡眠を得ることができる |
❹睡眠と寝具の快適性についてまとめられた論文
有名寝具メーカー西川が設立した「日本睡眠科学研究所」のメンバーがまとめた論文によると、睡眠と寝具の快適性について以下のことが論じられています。
寝環境 | 寝具に求められる機能 |
光:30ルクス位 音:40dB以下 温度:夏25℃、冬15℃ 湿度:50%RH程度 その他(色、においetc.) | 保温性 吸放湿性 フィット性 クッション性(支持性) 付加機能(防ダニ、抗菌、収納etc.) |
なお、理想的な寝床内気象条件は、温度が33±1℃、湿度が50±5%(RH)であり、その環境に近づけるために掛け布団によって調節するのが効果的とされています。
この論文によって分かること 質の高い睡眠を得るためには、寝具にさまざまな機能が求められる |
2. 研究から分かった「睡眠の質を上げる寝具」の条件
1章で紹介した研究結果により明らかになった「睡眠の質を上げる寝具の条件」をまとめると、以下のようになります。
|
睡眠の質を上げたいなら、この条件を満たすような寝具を選ぶのが鉄則です。
なお、本当に理想的な寝環境を目指すならば、「敷布団だけ」「枕だけ」「掛け布団だけ」を変えるのではなく、トータルで寝具を整えて、上記の条件を全て満たすのがベストです。
3章以降では、条件を満たす寝具を選ぶにはどうしたら良いか、具体的な選び方について詳しく解説します。
3. 睡眠の質を上げる「敷き寝具」の選び方
睡眠の質を上げる寝具の中でも、敷き寝具(敷布団・マットレス)の重要性はとても高いものとなります。なぜならば、寝る姿勢を支えるのがこの敷き寝具だからです。
先に紹介した研究結果を踏まえて、睡眠の質を上げる「敷き寝具」の選び方を考えてみると、以下のようになります。
❶「理想的な寝姿勢」を実現できる敷き寝具を選ぶ (寝返りがスムーズに打てることも大事) ❷保温性・吸透湿性・放湿性に優れた敷き寝具を選ぶ |
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1. 理想的な寝姿勢を実現できる敷き寝具を使う
先に紹介した研究では、「敷き寝具を変えることで睡眠の質が改善すること」「身体に合わせたオーダーメイドマットレスの方が高い睡眠の質を確保できたこと」が明らかになっています。
当たり前のことですが、自分に合わない敷き寝具を使うよりも、身体に合う敷き寝具を使った方が、質の高い眠りを実現できます。身体に合う敷き寝具を使うことで、眠るのに最適な寝姿勢を実現できるからです。
理想的な寝姿勢とは、まっすぐ立った姿勢の時の背骨の形(なだらかなS字型)を保つことが大切です。そのためには、敷き寝具はやわらかすぎても固すぎてもいけません。ちょうど良い硬さの敷き寝具がおすすめです。
やわらかすぎると… | 腰や肩が敷き寝具に沈み込んでしまい、S字カーブが歪んでしまう |
硬すぎると… | 肩や腰、頭などの重さがかかる部分が圧迫され、身体が痛くなってしまう |
ちょうど良い硬さなら | 背骨がなだらかなS字型を維持でき、体圧をバランス良く分散してくれる |
理想的な寝姿勢を保つために特におすすめな敷き寝具は、上部はやわらかい素材・下部は硬い素材で作られた「二層構造」の敷き寝具です。上部で体の凹凸に合わせて体圧を分散し、下部で体が沈み込むことを防ぎます。
こうした「ちょうど良い硬さ」の敷き寝具を選ぶことで、寝返りもしやすく、長時間同じ体勢で体に負担がかかることも防げます。
また、敷き寝具(敷布団・マットレス)を選ぶ時には、床の上に直接置くのかベッドで使うのかによって選ぶ商品が変わります。選ぶ際には、どちらでの使用を想定した商品なのかしっかり確認して購入しましょう。
3-2. 保温性・吸放湿性に優れた敷き寝具を選ぶ
睡眠の質を上げるには、布団の中の環境を整えることも大切です。先に紹介した論文では、「保温性・吸放湿性」も寝るために重要であることが示されています。
❶保温性
夏でも冬でも、布団の中の最適な温度(32℃~34℃)を保てる敷き寝具がベストです。
掛け布団の組み合わせで保温性の調節ができますが、冬の寒い時期は、床から冷えてしまわないよう、敷布団やマットレスにも保温性が求められます。
特に、床の上に直接敷き寝具を敷いて使う場合は、床からの「冷え」を防ぐために、保温性の高い敷き寝具を選ぶようにしましょう。
❷吸放湿性
寝ている間に人間はコップ1杯もの汗をかくといわれています。布団の中の最適な湿度(45%~55%)を保つためには、人間がかいた汗を敷き寝具が吸ってくれることが大切です。
そのため、敷き寝具の素材としては、吸湿性の高いウールや、放湿性(水分を逃す性質)の高いウレタンがおすすめです。
4. 睡眠の質を上げる「枕」の選び方
寝ている間の頭部を支える「枕」もまた、敷き寝具同様に、理想的な寝姿勢を整えるためにかなり重要なアイテムとなります。先ほど紹介した研究結果でも、枕の高さが2cm違うだけで睡眠の質に違いが現れることが分かっています。
睡眠の質を上げる「枕」の選び方は、以下のようになります。
❶フィッティングして最適な高さの枕を選ぶ ❷首までしっかり支えてくれる枕を選ぶ ❸自分がリラックスできる素材の枕を選ぶ |
それぞれの選び方について、さらに詳しく解説していきます。
4-1. フィッティングして最適な高さの枕を選ぶ
睡眠の質を上げるためには、枕の高さが重要となります。先ほど紹介した研究でも、枕の高さが最適な高さより2cm高いと、腰の痛みが2.8倍多くなり、疲れを1.5倍も多く感じる結果を紹介しました。
しかし、理想的な枕の高さは人それぞれ違います。そのため、枕は、首のカーブを計測してフィッティングして選ぶことが重要です。
「7-4. まくら専門店5選(ピロースタンド・じぶんまくらなど)」で後述しますが、最近では最適な枕の高さをその場で測ってくれる「まくら専門店」が増えています。そのようなお店に足を運び、ぜひ実際に測ってもらうことをおすすめします。
4-2. 首までしっかり支えてくれる枕を選ぶ
敷き寝具の選び方でも解説した通り、理想的な寝姿勢はまっすぐ立った時と同じように背骨が「S字カーブ」をキープできる状態がベストです。枕と敷き寝具の間の隙間を自然に埋めてくれるのが理想的な枕といえます。
そのためには、頭だけを枕に乗せるのではなく、首や肩までしっかり支えてくれる枕を選ぶのが大切です。枕が小さすぎると頭しか支えられないので、肩口までしっかり枕を引き寄せて頭を乗せられるサイズの枕を選びましょう。
また、寝返りをしても頭が落ちてしまわないよう、頭3つ分の幅のある枕がおすすめです。
4-3. 自分がリラックスできる素材の枕を選ぶ
睡眠の質を考えた時に、枕の素材は「これじゃないとだめ」というものは特にありません。しかし、睡眠の質には、自身がリラックスしている状態であることも重要です。そのため、自身が「好きだな」「この素材は気持ちいいな」と感じる素材の枕を選ぶのがおすすめです。
高反発ウレタン | 適度な硬さがある素材で、首から肩をしっかり支えてくれます。安定感があり、体格が大きい人にもおすすめです。 |
低反発ウレタン | 柔らかいのでフィット感が高く、頭全体を包み込むように支えてくれます。ただし、通気性が悪く、熱がこもりやすいデメリットがあります。 |
ラテックス | ゴムの木から採った樹液を加工した天然素材です。柔軟性と反発力を兼ね備えています。ゴムの匂いが気になる方もいるようなので注意しましょう。 |
高反発ファイバー | やや硬めで、支える力が強い枕です。通気性に優れているのがメリットですが、やや価格は高めです。 |
パイプ素材 | 中にたくさんのパイプの粒が入っているタイプです。通気性も良く、丸洗い可能なので使いやすいのが特徴。ただし、パイプが動く音が気になる方もいるようです。 |
羽毛 | 水鳥の羽のダウンを使用した枕です。軽くて温かく、長期間使用してもへたりにくいのが特徴です。 |
どの素材が適しているかは、実際の枕を手に取って、触り心地や匂いなどを確かめて選ぶのがおすすめです。
5. 睡眠の質を上げる「掛け布団」の選び方
掛け布団は主に、布団の中の温度や湿度を快適な状況に保つためのアイテムです。また、できれば防ダニや抗菌など、眠りの質を下げる要素について対策されているものを選べば、最高の寝環境を維持できるでしょう。
睡眠の質を上げる「掛け布団」の選び方は、以下のようになります。
❶理想的な「寝床内気象」を実現する掛け布団を選ぶ ❷季節や環境に応じて複数の掛け布団を使い分ける |
それぞれについて詳しく解説していきます。
5-1. 理想的な「寝床内気象」を実現する掛け布団を選ぶ
前述した通り、理想的な寝床内気象(布団の中の環境)は、温度は32℃~34℃、湿度は45%~55%です。夏でも冬でもこれは変わらないため、季節に応じて、掛け布団や毛布、タオルケットなどを使い分けて条件に近い環境を目指しましょう。
寒さが厳しい冬には、布団を何枚も重ねたくなりますが、あまり重いと身体に負担がかかってしまいます。そのため、寒い時期には、軽さと温かさを実現できる羽毛布団が理想的といえます。
一方、暑い時期や湿度が高い時期には、通気性にこだわったガーゼケットや、接触冷感などの素材を使用した掛け布団を使えば、寝床内気象をコントロールできます。
5-2. 季節や環境に応じて複数の掛け布団を使い分ける
布団の中の最適な温度・湿度を実現するためには、季節や環境に応じて、複数の掛け布団を使い分けることも大切です。
例えば羽毛布団なら、夏には薄い「肌掛け」、寒さが厳しい時期には羽毛量が最も多い「本掛け」、それ以外の時期に「合掛け」を使用するようにすれば、理想的な環境を整えられます。
肌掛け(薄手) | 羽毛充填量:0.3kg~0.4kg程度 |
合掛け(中厚) | 羽毛充填量:0.6kg~1.0kg程度 |
本掛け(厚手) | 羽毛充填量:1.0kg~1.5kg程度 |
なお、気密性の高いマンションなどで使う場合には、冬でも「本掛け」ほどの羽毛量は不要で「合掛け」でも十分な場合もあります。住環境や住んでいるエリアによっても、掛け布団を使い分けましょう。
睡眠の質を上げる掛け布団が欲しい場合は? |
ここで解説した通り、質の高い睡眠のためには理想的な「寝床内気象」を整えることが大切であり、そのために季節や環境に合わせて掛け布団で調節することが大事です。寒い時期には、軽さと温かさを実現できる羽毛布団が理想的といえます。 当サイトでは羽毛布団についての選び方やおすすめなどさまざまな情報を発信しているので、ぜひ別記事も参考にしてみてください。 |
6. 睡眠の質を上げる「その他寝具」の選び方
最後に、敷き寝具・枕・掛け布団以外の寝具の最適な選び方について解説していきます。
❶寝具カバーには通気性の良い素材を選ぼう ❷ベッドは体圧分散できるマットレスで選ぼう |
6-1. 寝具カバーには通気性の良い素材を選ぼう
寝具カバー(ベッドシーツや枕カバー)を選ぶ際には、通気性の良い素材を選びましょう。
通気性が悪い素材を選んでしまうと、湿気を溜め込んでしまい睡眠の質が下がるだけでなく、カビやダニが繁殖する原因になりかねません。
おすすめの素材は、吸水性にも通気性にも優れ、洗濯しても丈夫な「綿100%」の素材です。糸の細い綿素材(番手が大きいもの)を選べば、シルクのようなキメが細かく触り心地の良いものもあります。
また、夏におすすめなのはリネン(麻)素材です。リネンも綿同様に吸水性・通気性が良く、清涼感のあるさっぱりとした肌触りが特徴です。
綿やリネンは洗濯がしやすい点も優れています。一方、シルク(絹)は高級感があり手触りは良い半面、洗濯機で洗えないため、手洗いが必要です。洗濯のしやすさも考えて、寝具カバーを選ぶと良いでしょう。
6-2. ベッドは体圧分散できるマットレスで選ぼう
ベッドを選ぶ場合には、やはり身体を支えるマットレスが最も重要な選び方のポイントになります。具体的には、敷き寝具でも紹介したように、背骨がゆるやかなS字カーブを保てるようなマットレスが理想です。
身体の出っ張っている部分(例えばお尻)は適度に沈み、凹んでいる部分(例えばお腹のくびれ)には隙間ができないマットレスを選ぶのがおすすめです。
柔らかすぎず硬すぎない「ちょうど良い硬さ」のマットレスを選べば、きちんと体圧分散ができるため、質の高い睡眠を実現できます。ただし、人によって身長や体重が違い、体形によって「ちょうど良い硬さ」が異なるため、できれば寝具専門店で実際に横になってみて選ぶことをおすすめします。
7. 睡眠の質を上げるおすすめ寝具メーカー&店舗8選
最後に、睡眠の質を上げる寝具を選ぶ際におすすめの寝具メーカーや店舗を紹介していきます。特に、睡眠の質と直結する敷き寝具(マットレス・敷布団)や枕について、おすすめの寝具メーカーと店舗について詳しく解説します。
7-1. 西川株式会社(マットレス・枕・布団など何でも揃う)
出典:西川株式会社公式サイト
睡眠の質を上げる寝具メーカーとしてまずお勧めしたいのは、日本の寝具の有名メーカーといえば誰もが思い浮かべるであろう「ふとんの西川」です。以前は西川産業、西川リビング、京都西川と分かれていましたが、2019年に経営統合して「西川株式会社」になりました。
1566年(永禄9年)創業から450年以上の歴史を持つ寝具・布団メーカーは、寝具についての圧倒的なノウハウを持った会社です。質の高い睡眠をサポートするため、「日本睡眠科学研究所」という研究施設を設立し、眠りに関する多くの論文や調査報告書を発表しています。
こうした研究に基づいた「質の高い睡眠を得られる寝具」のみを発売しているため、安心して寝具を選ぶことができるでしょう。また、寝具のさまざまな商品を展開しているため、マットレスから枕、掛け布団、敷布団、寝具カバー、ベッドまでトータルで揃えることができるのも魅力です。
西川の商品を取り扱っている販売店は日本全国に500店舗以上あります。ぜひお近くの販売店に足を運んでみて、まずは体感してみることをおすすめします。
7-2. 株式会社エアウィーヴ(マットレスが特におすすめ)
出典:エアウィーヴ公式サイト
株式会社エアウィーヴは、2004年に日本の愛知県で設立された寝具メーカーです。2011年からフィギュアスケート選手の浅田真央さんをブランドアンバサダーに起用し、高品質なマットレスメーカーとして一躍有名になりました。日本航空(JAL)の国際線ファーストクラスに寝具が採用されるなど実績も確かで、高級寝具のイメージを確立しています。
エアウィーヴのマットレス製品には独自素材「エアファイバー」が使用されており、復元性や支える力が高く、寝返りしやすく、通気性が高い特徴を持っています。そのため、夏は蒸れにくく冬は暖かく保つことができ、人気です。
マットレスの他にも敷布団や枕の販売もしていますが、掛け布団のラインナップは少ないため、掛け布団は別メーカーのものを合わせると良いかもしれません。
エアウィーヴはデパートや量販店など多くの販売店で取り扱いがあります。また、公式サイトからスリープカウンセラーが相談に乗ってくれるサービスもあるため、ぜひ活用してみてください。
7-3. テンピュール(マットレス・枕がおすすめ)
出典:テンピュール公式サイト
デンマーク発の寝具メーカー「テンピュール」は、世界90カ国以上で愛用されているブランドです。会社名にもなっている「テンピュール」とは、NASAがスペースシャトルに搭載するために発明した新しい素材のことです。
同社の主力商品はマットレスと枕で、低反発で粘弾性のあるウレタンフォームが身体にぴったり沿うことで体圧が分散され、振動を吸収してくれます。また、敷布団やベッドも開発・販売しています。
その寝心地を体感してみたいならば、やはり取り扱い店舗で試してみるのがおすすめです。直営店のショールームのほか、百貨店や家具店での取り扱いもあるので、ぜひ近くの店舗を探してみてください。
7-4. まくら専門店5選(ピロースタンド・じぶんまくらなど)
睡眠の質を向上させる枕を選ぶなら、4章でも解説した通り、首のカーブを計測して自分に最適な枕の高さを調べることが重要となります。その上で、素材も含めてオーダーメイド枕を作るか、計測して分かった高さの枕を買うか、2つの選択肢から選びましょう。どちらにせよ、正確に計測するためには専門家が在席している専門店がおすすめです。
オーダーメイド枕を作るなら、ぜひ自宅や職場の近くにあるお店を探してみましょう。最近ではオーダーメイド枕専門店が増えていますので、きっと見つかるはずです。参考までに、全国展開しているオーダーメイド枕専門店を以下にまとめました。
ピロースタンド | 老舗寝具メーカー「西川」のオーダーメイド枕専門店です。 | |
じぶんまくら | タナカふとんサービスが運営するオーダーメイド枕の専門店です。 | |
まくらぼ | Futonto株式会社(フトント)が運営しています。 | |
マイまくら | 日本で初めてオーダーメイド枕を製作した全国47店舗ある専門店です。 |
また、オーダーメイドではないものの、専門家のピローフィッターが計測やフィッティングを行ってくれる枕専門店には以下のようなお店があります。
ロフティー | エアウィーヴが運営する枕専門店です。 |
ぜひ近くの店舗に足を運び、自分に合った枕を見つけてみましょう。
8. 睡眠の質を高める寝具の入手先は「ふるさと納税」もおすすめ
睡眠の質を上げる寝具を購入する場合の選択肢として、ふるさと納税の返礼品として寝具を選ぶ方法もおすすめです。
「なぜ急にふるさと納税?」と思う方もいるかもしれませんが、品質で選ぶと高額になりがちな寝具を返礼品に選ぶ人も多いからです。寝具の中でも特に羽毛布団はふるさと納税の返礼品として人気で、多くの自治体が返礼品として羽毛布団を用意しています。
ふるさと納税とは、自分が応援する自治体に寄付することで寄付金控除として所得税や住民税を差し引ける仕組みのことです。返礼品とは、寄付のお礼として受け取ることができます。
納税者それぞれに控除上限額が決まっており、その控除上限額を超えなければ、自己負担額2,000円の持ち出しで羽毛布団を受け取ることができるのでオトクです。
控除上限額の範囲内でオトクに「睡眠の質を上げる寝具」を手に入れたい方は、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
\山梨県都留市の羽毛布団の返礼品も人気です/
まとめ
この記事では、「寝具で睡眠の質は変わるのか?」をテーマに、過去の研究結果や論文を基に、睡眠の質を向上させる寝具について詳しく解説してきました。最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
寝具と睡眠の質の関係を論じている論文の内容をまとめると、以下のようなことが分かりました。
研究から分かった【睡眠の質を上げる寝具】の条件 ◆睡眠の質を上げるには、正しい寝姿勢を取れる寝具の使用が必要 ◆身体に合わせた敷き寝具を使うと、睡眠の質が向上する ◆首のカーブに合う最適な枕を使うと、睡眠の質が向上する ◆保温性・吸放湿性・フィット性・クッション性が重要 ◆理想的な寝床内気象条件は、温度が33±1℃、湿度が50±5%(RH) |
さらに、敷き寝具・枕・掛け布団・その他寝具それぞれについて、睡眠の質を上げるための選び方を解説しました。
敷き寝具 | ❶「理想的な寝姿勢」を実現できる敷き寝具を選ぶ ❷保温性・吸透湿性・放湿性に優れた敷き寝具を選ぶ |
枕 | ❶フィッティングして最適な高さの枕を選ぶ ❷首までしっかり支えてくれる枕を選ぶ ❸自身がリラックスできる素材の枕を選ぶ |
掛け布団 | ❶理想的な「寝床内気象」を実現する掛け布団を選ぶ ❷季節や環境に応じて複数の掛け布団を使い分ける |
その他 | ❶寝具カバーには通気性の良い素材を選ぼう ❷ベッドは体圧分散できるマットレスで選ぼう |
「睡眠の質は寝具で本当に変わるんだ」という認識を持って理想的な寝具を選び、あなたの睡眠の質が改善されることをお祈りしています。
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