羽毛肌掛け布団とは?7つの特徴やおすすめの人、長持ちのコツを解説

「羽毛肌掛け布団とは何だろう?」

この記事を読んでいる方は、このような疑問を持っているのではないでしょうか。

名前を見る限り羽毛を使った掛け布団だろうと想像はできますが、具体的にどのような掛け布団であるかは分からないですよね。

羽毛肌掛け布団とは「薄手の羽毛掛け布団」のことです。「ダウンケット」とも呼ばれます。

詳しくは後述しますが、一般的な羽毛肌掛け布団(ダウンケット)には以下の特徴があります。

【一般的な羽毛肌掛け布団の特徴】

羽毛の種類

ダック→マザーダック→グース→マザーグース→アイダーダック

※右の羽毛ほど保温性が高く、高品質

羽毛の比率

50%~90%程度

ダウンパワー

300dp~390dp程度

羽毛の重さ

0.3kg~0.4kg

寿命

適切に扱えば10年~20年程度

使用期間

1. 夏にメイン掛け布団として使う

2. 春・秋、冬に内掛け布団(インナーケット)として使う

使用感

・ふんわりと軽い

・薄手ながら、適度に温かい

上記を見てお分かりいただけるように、羽毛肌掛け布団は、主に夏のメイン掛け布団や内掛け布団(インナーケット)として活躍します。

羽毛肌掛け布団をおすすめできるのは、次のような人です。

・就寝中のクーラー冷えを防ぎたい人

・クーラーが不要な季節でも快適に眠りたい人

・季節を問わず寒がり/冷え症の人

しかし、メリットとデメリットの両方を持っているため、人によっては羽毛肌掛け布団が向いていない場合もあります。

そこでこの記事では、以下の内容をまとめて説明していきます。

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の特徴

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)と他の掛け布団との違い

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)のメリット4つ

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)のメリット3つ

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)をおすすめできる人

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を使用するときのポイント3つ

・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の選び方3つ

読んでいただくと、羽毛肌掛け布団の詳しい知識を得られます。ご自身が羽毛肌掛け布団を使うのが適しているのか、ご判断いただく材料にもなるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

羽毛肌掛け布団の具体的な商品を見たい方

羽毛肌掛け布団は、様々な寝具メーカーによって製造・販売されています。

数も多くあり、商品によって特徴も異なります。以下は、羽毛肌掛け布団の例です。

保温力を増加させた洗える羽毛肌掛け布団

汗の吸収力と臭いの除去力が高い羽毛肌掛け布団

羽毛肌掛け布団にはどのような商品があるのかを見てみたい方は、本記事と併せて「羽毛掛け布団 夏」の記事もご覧ください。

目次

1. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)とは「薄手の羽毛掛け布団」のこと

冒頭でも説明した通り、羽毛肌掛け布団とは「薄手の羽毛掛け布団」のことです。「ダウンケット」とも呼ばれます。

商品によって特徴は変わりますが、一般的な羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は以下のような特徴を持っています。

【一般的な羽毛肌掛け布団の特徴】

羽毛の種類

ダック→マザーダック→グース→マザーグース→アイダーダック

※右の羽毛ほど保温性が高く、高品質

羽毛の比率

50%~90%程度

ダウンパワー

300dp~390dp程度

羽毛の重さ

0.3kg~0.4kg

寿命

適切に扱えば10年~20年程度

使用期間

1. 夏にメイン掛け布団として使う

2. 春・秋、冬に内掛け布団(インナーケット)として使う

使用感

・ふんわりと軽い

・薄手ながら、適度に温かい

この章では羽毛肌掛け布団の基礎知識を得ていただくために、上記について1つずつ説明していきます。

1-1. 羽毛の種類

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)に使われる羽毛の種類は、一般的な羽毛掛け布団と同じです。

具体的にいうと、次の5種類の羽毛が使われます。

【羽毛肌掛け布団に使われる羽毛の種類】

上記を見てお分かりいただけるように、ダック→マザーダック→グース→マザーグース→アイダーダックの順に保温性と希少性、品質、値段が高くなります。

普段使い用の多くは、ダックやマザーダック、グースあたりの羽毛肌掛け布団といえます。高い保温性や品質を求めるのであれば、マザーグースが選ばれることが多いです。

アイダーダックに関しては羽毛の中でも最高級で、何百万円もするほど非常に高額のため、品質に強いこだわりがある場合にしか選ばれないといえます。

1-2. 羽毛の比率

一般的な羽毛肌掛け布団(ダウンケット)に詰められる羽毛の比率は、50%~90%程度です。

掛け布団に「羽毛」と付けて良いのは羽毛の比率が50%以上であるため、羽毛肌掛け布団もこの比率が守られています。

商品には「羽毛の種類〇%」という形式で記載されています。ダックの羽毛が80%の割合で詰められている場合、「ダック80%」と表示されることが多いです。

羽毛の比率は商品によって異なりますが、品質の高い種類の羽毛の比率が高いほど保温性が高くなります。

たとえば、ダック80%よりも、マザーグース80%の方が保温性が高いです。

1-3. ダウンパワー

ダウンパワーとは、詰め物の羽毛の膨らむ力を数値で表したものです。

数値が大きいほど羽毛の膨らむ力が高く、空気をたくさん含めることができるため保温性が高くなります。商品には「〇dp」という形式で記載されています。

品質が保たれている羽毛掛け布団のダウンパワーは300dp~440pd以上ですが、羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の場合は300dp~390dp程度です。

羽毛肌掛け布団の主な用途は夏のメイン掛け布団であるため、ダウンパワーは抑えられていることが多いです。

1-4. 羽毛の重さ

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)に含まれる羽毛の重さは、0.3kg〜0.4kgが目安です。他の羽毛掛け布団と比べると、最も軽いといえます。

羽毛自体に保温性があるため、羽毛が1kg以上であると暑くなり、冬用の掛け布団ほどの高い保温力を持ってしまいます。

このため、羽毛肌掛け布団には1kg以下の少ない量の羽毛が詰められるのです。

1-5. 寿命

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の寿命は、10年〜20年です。

寿命がきた羽毛肌掛け布団は、羽毛のふくらみが小さくなったり、羽毛を直接包む生地「側生地(がわきじ)」が劣化してきたりします。

ただし、羽毛肌掛け布団の品質や扱い方によって寿命は変わります。

高品質な羽毛肌掛け布団であったり、「6. 羽毛肌掛け布団を使用するときのポイント3つ」のような使い方をすれば10年~20年ほど持ちますが、扱い方を誤ると短期間で使い物にならなくなることがあります。

羽毛肌掛け布団の寿命を長くしたいのであれば、定期的なメンテナンスが必要になります。

1-6. 使用時期

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の使用時期は、夏と夏以外(春・秋・冬)の2つに大別できます。

それぞれの時期における使い方は、以下の通りです。

【羽毛肌掛け布団の使用時期と使い方】

メインの掛け布団として使う

夏以外(春・秋・冬)

毛布や掛け布団の間に、内掛け布団(インナーケット)として使う

羽毛肌掛け布団は、主に夏に使われます。

羽毛肌掛け布団は薄手で、羽毛の重さも0.3kg~0.4kgと軽いことから、暑くなる夏のメイン掛け布団として最適です。

また、夏以外の季節でも使えます。薄手ながら保温性もあるため、涼しさの残る春や秋、寒さが厳しくなる冬には温かさを高めるための内掛け布団(インナーケット)として活躍します。

使用時期のメインは夏ではありますが、オールシーズン使えるのが羽毛肌掛け布団の特徴です。

1-7. 使用感

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、以下のような使用感があるといえます。

・ふんわりと軽い

・薄手ながら、適度に温かい

羽毛はタンポポの綿毛のような質感です。羽毛肌掛け布団は軽いこともあり、ふんわりと軽い使用感があります。

羽毛自体保温性がある素材のため、薄手ながら適度な温かさもあります。

2. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)と他の掛け布団との違い

この記事を読んでいる方の中には、他の羽毛掛け布団との違いが分からないという方もいるのではないでしょうか。

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)が他の羽毛掛け布団と異なる点は、主に厚みと羽毛の重さ、保温性、使い方の4つです。

以下は、他の羽毛掛け布団である「羽毛本掛け布団」と「羽毛合い掛け布団」と前述した4つの違いを示した一覧です。

【羽毛肌掛け布団と他の掛け布団との違い】

上記を見て、羽毛肌掛け布団は他の羽毛掛け布団と比べると、厚みと重さ、保温性が最も低いことをお分かりいただけるでしょう。

使い方に関しては、夏のメイン掛け布団と内掛け布団(インナーケット)として活躍するため、汎用性が高いことが分かります。

3. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)のメリット4つ

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)には、次の4つのメリットがあります。

1. 夏は朝まで適度な温かさで眠れる

2. 蒸れにくい

3. 商品によっては丸ごと洗える

4. 夏以外は掛け布団の温かさを底上げできる

1つずつ見ていきましょう。

3-1. 夏は朝まで適度な温かさで眠れる

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を使えば、夏は朝まで適度な温かさで眠れます。暑さで寝苦しくなったり、クーラーの冷えによって体調を崩したりすることを防ぐことができます。

羽毛肌掛け布団に使われる羽毛は、暑いときは縮小して熱を放出させ、寒いときは膨らんで熱を逃がしません。

寝具メーカー・西川が運営する日本睡眠科学研究所によると、快適な寝床内環境は、温度が32度~34度、湿度は45%~55%です。

また、同研究所が行った調査によると、室温26度・湿度50%の環境で羽毛肌掛け布団を使うと、約10分後に寝床内湿度は55%、約20分後に寝床内温度は32度に達し、その後も快適な寝床環境を保てています(参考:寝具がカギ!?夏の夜を快適に過ごしたいあなたへ贈る【快眠5か条】|西川公式サイト)。

室温によって適切な温度が保たれるため、朝まで快適に眠れるのです。

3-2. 蒸れにくい

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、夏でも蒸れにくいです。寝汗をかいても、さらっとした肌触りの中で眠ることができます。

羽毛肌掛け布団に使われる羽毛は、湿気を吸い込んだり、吸い込んだ水分を放出する性質もあります。

寝ているときにかいた汗の吸収と発散が繰り返されるため、蒸れを感じにくくなるのです。

3-3. 商品によっては丸ごと洗える

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、商品によっては丸ごと洗えます。汗をかきやすい夏でも衛生的に使うことができます。

商品によって丸ごと洗えることもあるのは、側生地(羽毛を直に包んでいる外側の生地)の素材が関係します。

この側生地がポリエステル素材であると、丸ごと洗えることが多いです。ポリエステル素材は耐久性があるため、洗ってもへたりにくいのです。

他の羽毛掛け布団は洗濯できないこともあるため、丸ごと洗える羽毛肌掛け布団は手間をかけずにお手入れができる布団といえるでしょう。

3-4. 夏以外は掛け布団の温かさを底上げできる

夏以外に羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を内掛け布団(インナーケット)として使えば、掛け布団の温かさを底上げできます。体が冷めにくくなり、朝まで温かいまま眠ることが可能です。

夏以外は、春・秋は羽毛合掛け布団、冬は羽毛本掛け布団が使えます。

しかし寒がりであったり、寒いところに住んでいたりする人にとっては、品質によっては掛け布団1枚だけでは十分な温かさを得られないことがあります。

「毛布でも良いのでは?」と思われるかもしれませんが、毛布であると商品によっては暑くなり過ぎたり、蒸れやすかったりします。

前述した通り、羽毛は暑いときは縮小して熱を放出させ、汗の吸収と発散を繰り返すため、不快になりにくいです。

掛け布団と重ねて使えば、その分温かさも倍になるのです。

4. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)のデメリット3つ

一方で羽毛肌掛け布団(ダウンケット)にはデメリットもあります。それが、次の3つです。

1. 他の素材の肌掛け布団と比べると価格が高い

2. 羽毛独特の臭いがする

3. 打ち直しができないものがある

デメリットを知っておけば事前に対策を考えられるため、羽毛肌掛け布団を買ってからの後悔を防ぐことができます。

1つずつ見ていきましょう。

4-1. 他の素材の肌掛け布団と比べると価格が高い

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、他の素材の肌掛け布団と比べると価格が高いです。思わぬ出費となる恐れがあるため注意しなければなりません。

羽毛肌掛け布団が高額なのは、羽毛の産地や種類によっては希少性が高いためです。

たとえば羽毛の代表的な産地にポーランドやハンガリーがありますが、この2カ国は国を上げて羽毛を育成しています。国が水鳥を厳密に管理し、羽毛の質の高さを維持しているのです。

以下は、羽毛肌掛け布団と他の素材の肌掛け布団の価格目安の一覧です。

【素材別肌掛け布団の価格の目安】

素材の産地や種類、布団のサイズなどによって価格は変動します。上記はあくまで目安にはなりますが、羽毛は種類によっては高額であることをお分かりいただけるでしょう。

暑い夏でも快適に眠れるような質の高い肌掛け布団を求めるのであれば、費用はかかっても羽毛がおすすめです。

価格やコストパフォーマンスを重視するのであれば、他の素材を選ぶのが良いでしょう。

4-2. 羽毛独特の臭いがする

羽毛独特の臭いがすることがあります。部屋中にその臭いが行き渡ってしまったり、人によっては臭いが気になって眠れなくなったりする恐れがあります。

羽毛独特の臭いの原因は、羽毛に含まれる油分です。

この油分は、布団の製造工程にある羽毛の洗浄によって取り除かれますが、洗浄方法が甘かったり、雑食のダックの羽毛であると、油分が取り切れないことがあるのです。

臭いに敏感な方は、以下のように対処すれば臭いに悩まされることは少なくなります。ですが、水鳥から採れる羽毛は、多少なりとも動物性の臭いが付いてしまうことは念頭に置く必要があります。

・草食で油分が溜まりにくいグースの羽毛肌掛け布団を選ぶ

・輸入した羽毛を国内で再度洗浄した羽毛肌掛け布団を選ぶ

・通気性の良い室内で陰干しする

4-3. 打ち直しができないものがある

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の中には、打ち直しができないものもあります。正しく扱わないと、短期間で使い物にならなくなる恐れがあります。

打ち直しとは?

打ち直しとは、長く使い続けてきた布団を新品のように再加工することです。

羽毛の掛け布団の場合、通常は詰め物の羽毛を取り出し、その羽毛を洗浄します。その後、新しい羽毛を追加したり、側生地を変えたりして新品のように作り直しが行われます。

打ち直しをすることで、中に詰まっていたゴミや雑菌などを取り除けエルため、ダニやカビの発生を防ぐことが可能です。新品と同じような温かさを味わうこともできます。

羽毛肌掛け布団は薄手のため、扱い方によっては押しつぶされたり、側生地に穴があいてしまったりすることがあります。すると羽毛が弱まったり、羽毛が大量に吹き出してしまったりするため、打ち直しをしても元には戻りにくいのです。

6. 羽毛肌掛け布団を使用するときのポイント3つ」で説明するポイントを踏まえれば極端に劣化することを防げますが、状態によっては再度購入する必要があることは、念頭に置くと良いでしょう。

5. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)がおすすめの人

ここまで説明してきた羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の特徴とメリット・デメリットを踏まえると、羽毛肌掛け布団は以下のような人におすすめできます。

1. 就寝中のクーラー冷えを防ぎたい人

2. 夏のどんな気温でも快適に眠りたい人

3. 季節を問わず寒がり/冷え症の人

ご自身が羽毛肌掛け布団を使うのに適しているのか、判断する材料としてご参考ください。

1つずつ説明していきましょう。

5-1. 就寝中のクーラー冷えを防ぎたい人

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、就寝中のクーラー冷えを防ぎたい人におすすめです。

前述した通り、羽毛は室内が寒いと膨らみ、熱を溜める性質があります。クーラーをつけっぱなしの部屋でも、布団の中は適度な温かさが保たれます。

特に寒がりや冷え症でなくても、夏になると就寝中のクーラーによって冷えを起こして体調を崩すことはないでしょうか。こうした人に、羽毛肌掛け布団は最適です。

5-2. クーラーが不要な季節でも快適に眠りたい人

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、クーラーが不要な季節でも快適に眠りたい人におすすめです。羽毛には、そのときの室温によって温度調節する機能があるからです。

夏でも7月頃は、就寝時にクーラーをつけるほどの暑さにならないこともありますが、布団をかけると暑く感じる方もいるのではないでしょうか。羽毛肌掛け布団は吸湿性と放湿性に優れていて蒸れにくいため、こうした方は寝苦しさを防ぐことができます。

また羽毛は、寒いと膨らんで熱を逃しません。8月下旬~9月上旬の晩夏になるとクーラーが不要になるほど夜は涼しくなりますが、羽毛肌掛け布団を使えばその涼しさから体を守ってくれます。

クーラーが不要な季節でも朝まで適度な温度で眠りたいのであれば、羽毛肌掛け布団がおすすめです。

5-3. 季節を問わず寒がり/冷え症の人

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、季節を問わず寒がり・冷え症の人にもおすすめです。

羽毛肌掛け布団は保温性があります。夏でも体が冷えやすい体質でも、羽毛肌掛け布団1枚かければ、朝まで体の温かさが保たれます。

前述した通り、羽毛肌掛け布団は内掛け布団(インナーケット)として使えます。涼しさが残る春や秋、寒さが厳しくなる冬に掛け布団1枚だけでは寒く感じても、保温性のある羽毛肌掛け布団を重ねれば、体を十分に温められます。

羽毛肌掛け布団は、寒がり・冷え症の人の快適な睡眠をサポートしてくれる優れものです。

6. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を使用するときのポイント3つ

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)には、使用するときのポイントがあります。それが次の3つです。

1. 布団カバーを付ける

2. お手入れは定期的に行う

3. 臭いが気になるときは陰干しをする

使用ポイントを知ることで、羽毛肌掛け布団を快適に長く使うためにはどのくらい対応が必要かが分かります。

順番に説明していきましょう。

6-1. 布団カバーを付ける

1つ目のポイントは、布団カバーを付けることです。側生地が破れてしまった場合、詰め物の羽毛が吹き出すからです。

側生地があれば布団カバーは不要と思われるかもしれませんが、布団カバーなしでそのまま使ってしまうと、以下が起こる恐れがあります。

・ベッドなどの物に側生地が引っ掛かりやすくなり、穴があいてしまう

・側生地に日が当たることで劣化し、破れやすくなる

詰め物の羽毛は、小さな穴からでも吹き出してしまいます。そうなると、肌掛け布団(ダウンケット)として使えなくなるため注意しなければなりません。

羽毛肌掛け布団を使うのであれば、サイズに合った布団カバーを必ずかけましょう。

6-2. お手入れは定期的に行う

2つ目のポイントは、お手入れを定期的に行うことです。定期的に行うことで、羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の清潔が保たれるため、長く使えます。

羽毛肌掛け布団のお手入れ方法は、以下の3つです。

1. 洗濯する

2. 陰干しする

3. 手で軽くホコリを払う

順番にみていきましょう。

6-2-1. 洗濯する

洗える羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の場合、商品によって推奨されている洗濯頻度が異なることもありますが、基本的にシーズンが終わったときに洗濯機で洗うのが良いでしょう。

頻繁に洗うのは、羽毛を傷めるためおすすめできません。汗や臭いが気になるようであれば、布団カバーを週に1回程度洗うのが良いです。また、洗濯機で洗うときは、掛け布団用の洗濯ネットに羽毛肌掛け布団を入れてください。

適切な洗濯コースは、羽毛肌掛け布団についているタグを見れば適切なコースが分かります。もし不明な場合は、「毛布コース」もしくは「大物洗いコース」を選べば問題ありません。

使う洗剤は、おしゃれ着用洗剤が良いです。普段の洗濯で使う洗剤だと、羽毛を傷める恐れがあります。

6-2-2. 陰干しする

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を洗い終わった後は、通気性の良い室内で陰干しをするのがおすすめです。

水気が残らないよう、十分に乾かしましょう。乾燥が不足していると、カビや臭いが発生する恐れがあります。十分に早く乾かすには、衣類乾燥機やサーキュレーターを併用するのがおすすめです。

洗えない羽毛肌掛け布団の場合は、使うシーズンが終わったら陰干ししましょう。

6-2-3. 手で軽くホコリを払う

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を干しているときや取り込むときは、手で軽くホコリを払いましょう。

一般的な掛け布団のように、ふとんタタキを使って強く払うことは避けてください。中の羽毛や側生地を傷めることにつながります。

6-3. 臭いが気になるときは陰干しをする

3つ目のポイントは、臭いが気になるときは陰干しをすることです。陰干しをすることで、臭いの一因である湿気を取り除けます。

湿気で羽毛が臭いやすいのは、羽毛に含まれる油分が一因です。羽毛に湿気がたまるとその油分が溶けて、雑菌が繁殖しやすくなります。

6-2. お手入れは定期的に行う」で説明した方法で陰干しをすれば、湿気を取り除けるため、臭いも軽減されます。

ここで「天日干しではダメなの?」と思われた方もいるかもしれませんが、天日干しだと側生地や羽毛が劣化しやすくなるため、あまりおすすめできません。天日干ししたいのであれば、月に1~2回程度、1回につき片面1時間位、カバーをつけたまま干すことを、一般財団法人 日本ふとん協会は推奨しています。

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)を長く使うためにも、臭いが気になるときは陰干しすることをおすすめします。

7. 羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の選び方3つ

最後に、羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の選び方を3つ紹介します。

1. 寒がり/涼しい場所に住む人は保温性の高い商品を選ぶ

2. 暑がり/気密性の高い場所に住む人は保温性の低い商品を選ぶ

3. 品質が保証されている商品を選ぶ

事前に選び方を知っておけば、実際に羽毛肌掛け布団を買うとき、数ある羽毛肌掛け布団の中からご自身にぴったりの商品を選べるようになります。

順番に見ていきましょう。

7-1. 寒がり/涼しい場所に住む人は保温性の高い商品を選ぶ

寒がりであったり、地域や家の構造柄涼しい場所に住んでいたりする人は、保温性の高い商品を選びましょう。朝と夜の寒暖差があっても1枚で体が温まりやすく、快適な睡眠を実現できます。

保温性の高い羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の特徴は、以下の通りです。

【保温性の高い羽毛肌掛け布団の特徴】

羽毛の種類

グース

※高額でも問題なければマザーグース

羽毛の比率

90%以上

ダウンパワー

390dp以上

側生地

綿

※上記は目安です。羽毛の産地や洗い方などで保温力は変わることがあります。

羽毛の種類は、グースであれば保温性が高いです。

高額でも問題なければ、マザーグースが良いでしょう。グースと比べると飼育期間が長いことから羽毛が成熟しているため、より高い保温性を期待できます。

羽毛は多く詰まっているほど保温性が高まるため、詰め物比率は90%以上が良いです。ダウンパワーは羽毛肌掛け布団としては最も大きい390dp以上が良いでしょう。

側生地は蒸れにくい綿がおすすめです。

上記は羽毛肌掛け布団のパッケージや公式サイトに記載されているため、確認するようにしましょう。

詳しい特徴が分からない場合は、店舗に訊くことをおすすめします。

7-2. 暑がり/気密性の高い場所に住む人は保温性の低い商品を選ぶ

暑がりであったり、マンションなど気密性の高い場所に住んでいたりする人は、保温性の低い商品で問題ないでしょう。汗による蒸れを防ぎながら、朝まで適度な温度で眠れます。

保温性の低い羽毛肌掛け布団(ダウンケット)の特徴は、以下の通りです。

【保温性の低い羽毛肌掛け布団の特徴】

羽毛の種類

ダック

羽毛の比率

80%程度

ダウンパワー

350dp程度

側生地

綿

※洗いたいのであれば、ポリエステルも可

※上記は目安です。羽毛の産地や洗い方などで保温力は変わることがあります。

羽毛の種類は、ダックがおすすめです。グースと比べると体が小さく、その分羽毛の小さいため保温力は低くなります。

詰め物比率は80%、ダウンパワーは350dp程度であれば、適度な体温を保ちながら眠れます。

側生地は綿がおすすめです。

ただ側生地が綿となると洗えない商品もあるため、汗の不快感が気になるようであれば、洗えることの多いポリエステルでも良いでしょう。

上記は、羽毛肌掛け布団のパッケージや公式サイトを見たり、店舗へ問い合わせみたりして確認するようにしましょう。

7-3. 品質が保証されている商品を選ぶ

品質が保証されている商品を選びましょう。

このような羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は、厳しい検査と品質管理が施されているため質が高く、適切に扱えば長く使うことができます。

気になる羽毛肌掛け布団に品質が保証されているかどうかは、主に以下2つのマークが商品に表示されているかで分かります。

【品質が保証されていることが分かるマーク】

名称

概要

GFマーク

一般社団法人 全日本寝具寝装品協会(JBA)が発行する品質マーク。

厳しい審査を受け、布団の名称や素材、取り扱い方が統一表示基準に達している商品を示す。

ゴールドラベル

日本羽毛製品共同組合が発行する品質マーク。

組成混合率や羽毛のかさ高性、洗浄度などの品質基準に達した最高級の羽毛と優良な側生地を使い、適正な縫製で作られた商品であることを示す。

上記のマークは、羽毛肌掛け布団のパッケージや公式サイトで見ることができます。

羽毛肌掛け布団を見ただけでは品質が良いかは分かりませんが、これら2つを見れば品質が保証されていることが一目で分かります。買うときは必ず確認するようにしましょう。

夏向けの羽毛肌掛け布団の選び方

主に夏に使う羽毛肌掛け布団が欲しいのであれば、「羽毛掛け布団 夏」の記事をご参考ください。

夏に特化した羽毛肌掛け布団の選び方とおすすめの商品を紹介しているため、商品選びの参考になるでしょう。

8. まとめ

羽毛肌掛け布団とは薄手の羽毛掛け布団のことで、ダウンケットとも呼ばれる掛け布団です。一般的には以下の特徴を持ちます。

【一般的な羽毛肌掛け布団の特徴】

羽毛の種類

ダック→マザーダック→グース→マザーグース→アイダーダック

※右の羽毛ほど保温性が高く、高品質

羽毛の比率

50%~90%程度

ダウンパワー

300dp~390dp程度

羽毛の重さ

0.3kg~0.4kg

寿命

適切に扱えば10年~20年程度

使用期間

1. 夏にメイン掛け布団として使う

2. 春・秋、冬に内掛け布団(インナーケット)として使う

使用感

・ふんわりと軽い

・薄手ながら、適度に温かい

他の羽毛掛け布団との違いは、以下の通りです。

【羽毛肌掛け布団と他の掛け布団との違い】

羽毛肌掛け布団(ダウンケット)は主に夏のメイン掛け布団や夏以外の内掛け布団(インナーケット)として活躍します。

羽毛肌掛け布団をおすすめできるのは、次のような人です。

・就寝中のクーラー冷えを防ぎたい人

・クーラーが不要な季節でも快適に眠りたい人

・季節を問わず寒がり/冷え症の人

羽毛肌掛け布団が欲しいと思った方は、使用するときのポイントや選び方も踏まえて買うことをおすすめします。

この記事が、羽毛肌掛け布団の知識取得とご自身にぴったりの布団であるかの判断材料となってもらえたら幸いです。

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