睡眠障害とストレスの関係は?自宅で行うケアや受診タイミングを解説

「ストレスが溜まって、最近は睡眠障害まで起きてしまって……。どうしたらいいの?」

つらい状況の中、ひとりで苦しんでいないでしょうか。

近年、ストレスフルな環境で心身の調子を崩し、睡眠に問題を抱える方が珍しくありません。

この記事では、睡眠障害とストレスの関係に焦点を当て、具体的なストレスケアの方法から、医療機関を受診すべきタイミングまで、多角的に解説します。

記事を最後まで読むことで、ストレスと睡眠障害に対する理解が深まります。また、実践的な対策を通じて、つらい状況から抜け出す手がかりとなれば、幸いです。

1. 睡眠障害とストレスの関係

睡眠障害とストレスは、密接な関係にあります。

まずは睡眠障害の基本的な定義と、ストレスがどのように睡眠障害に影響を与えるのかについて、確認していきましょう。

1-1. 睡眠障害とは?

睡眠障害とは、正常な睡眠を取れない状態に陥る、さまざまな病気の総称です。

厚生労働省のサイトでは、以下のとおり解説されています。

【睡眠障害(すいみんしょうがい)】

/ sleep disorder /

睡眠に関連した多種多様な病気の総称。大きく分類すると、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症がある。

睡眠に関連した多様な病気を、まとめて睡眠障害と呼びます。

睡眠障害のなかで最も多いのが、不眠症です。不眠症とは、その人の健康を維持するために必要な睡眠時間が、量的あるいは質的に低下し、そのために社会生活に支障をきたしたり、自覚的にも悩んでいる状態をいいます。

過眠症とは、日中に過剰な眠気がおきる状態をさします。仕事や学習など日常生活に支障をきたすような場合には、病的と考えられます。

睡眠時随伴症は、睡眠中におきるねぼけ行動をさします。

出典:厚生労働省「睡眠障害」

1-2. 睡眠障害の種類と代表的な治療法

より具体的には、NCNP(国立精神・神経医療研究センター)の資料で以下のとおりまとめられています。

出典:NCNP「睡眠障害・睡眠問題に対する 支援マニュアル」

不眠症、睡眠時無呼吸症候群、睡眠関連運動障害、中枢性過眠症(ナルコレプシーなど)、睡眠時随伴症、概日リズム睡眠覚醒・障害、といった種類があることがわかります。

各睡眠障害の詳細は「睡眠障害とは何か?7つの種類の症状や治し方・向き合う心構えを解説」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

1-3. 睡眠問題の簡易スクリーニング

「ストレスで睡眠に問題が起きているけれど、私は睡眠障害?」

と疑問に感じたときには、以下の簡易スクリーニングが参考になります。

出典:NCNP「睡眠障害・睡眠問題に対する 支援マニュアル」

※注:診断は専門家(医師)が行う必要があります。上記だけで自己判断は危険ですので、睡眠障害の疑いがある方は、医療機関を受診しましょう。

1-4. ストレスとの関係が深い睡眠障害の種類

ストレスとの関係が深い睡眠障害の種類としては、「不眠症」「概日リズム睡眠・覚醒障害」が挙げられます。

【不眠症/概日リズム睡眠・覚醒障害とは?】

不眠症:入眠困難、睡眠維持困難、早朝覚醒の不眠症状に加えて、日中の疲労、倦怠感、ICSD-3では上記症状が週3日、3か月以上続く場合を慢性不眠症とする。身体疾患、精神障害による併存不眠、嗜好品、生活習慣、薬剤などの影響により出現する場合もある。

概日リズム睡眠・覚醒障害:生体内の睡眠・覚醒リズム(体内時計)と、外部の明暗サイクルとの間にずれが生じることにより社会生活に支障が生じる。

出典:NCNP「睡眠障害・睡眠問題に対する 支援マニュアル」

不眠症や概日リズム睡眠・覚醒障害は、気分障害(うつ病、双極性障害)と併存することが知られています。

【気分障害とは?】

感情障害ともいわれ、うつ病、躁うつ病などが含まれる分類を意味します。抑うつあるいは高揚といった気分の変調が持続することにより、生活上の苦痛や機能障害を呈する精神疾患の総称といえます。気分変調性障害、気分循環性障害も含まれます。

出典:厚生労働省「気分障害:用語解説」

1-4-1. うつ病への不眠症の併存

NCNPのサイトによれば、

〈うつ病患者の77~90%に、不眠症状のいずれかが出現すると報告されている〉

と解説されています。

【不眠症状の出現のタイミング】

出典:NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター「気分障害に併存する睡眠障害」

注目したいのが、上記のとおり、

〈不眠症状はうつ病に先行して出現することが多い〉

とされる点です。

ストレスで眠れないと感じたときには、うつ病の可能性も考慮して、早期に受診することが推奨されます。

1-4-2. 双極性障害への概日リズム睡眠・覚醒障害の併存

双極性障害(躁うつ病)の場合は、概日リズム睡眠・覚醒障害との併存が報告されています。

NCNPのサイトによれば、

〈寛解期の双極性障害とうつ病患者を対象に、概日リズム睡眠・覚醒障害の併存率を調べた研究では、双極性障害の概日リズム睡眠・覚醒障害の併存率が、うつ病における併存率よりも有意に高かった〉

と指摘されています。

出典:NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター「気分障害に併存する睡眠障害」

2. 医療機関を受診すべきタイミング

本記事の後半では、睡眠の質を高めるために自分でできるケアをご紹介しますが、その前に、医療機関を受診すべきタイミングについてお伝えします。

睡眠障害は、ときに命に関わる問題です。自己判断で改善しようとするのは、危険なケースもあります。

具体的には、次の場合は自己ケアを試す前に、医療機関にご相談ください。

1. 気分障害や睡眠障害を発病している可能性がある
2. 日常生活に支障が出ている
3. 症状が慢性化している

以下でそれぞれ見ていきましょう。

2-1. 気分障害や睡眠障害を発病している可能性がある

1つめは「気分障害や睡眠障害を発病している可能性がある」場合です。

先ほど、病気としての睡眠障害の概要や、気分障害(うつ病、躁うつ病)との併存について、ご紹介しました。

「当てはまるかもしれない」と感じた方は、医療サポートが必要となります。まずは医療機関へご相談ください。

心療内科、精神科、睡眠外来のある医療機関などが、受診先として適切です。

2-2. 日常生活に支障が出ている

2つめは「日常生活に支障が出ている」場合です。

「病院で相談すべきレベルなのか、自分で見極めが難しい」

というとき、ひとつの目安となるのが、日常生活に支障が出ているかどうかです。

【日常生活に支障が出ている例】

・学校や会社を休んだり、遅刻したりする
・仕事の効率が低下し、ミスが増えた
・家庭内でイライラしてしまい、コミュニケーションが難しい

このような状態が続くと、心身の健康はもちろん、人間関係や家庭・仕事にも、悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

それがさらなるストレスとなり、状況が悪化することがあります。迷わず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

2-3. 症状が慢性化している

3つめは「症状が慢性化している」場合です。

症状が慢性化している状態も、医療機関を受診すべき重要な指標です。

一時的なストレスや睡眠の問題であれば、セルフケアで改善できるケースもあります。しかし、これが長期間にわたって続くと、医療サポートが必要です。

目安として、「2週間以上続いた場合」は、医療機関を受診しましょう。

以下はうつ病の特徴ですが、“2週間以上” が、診断の目安となっています。

【うつ病の特徴】

次の症状のうち、5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いた場合は、うつ病の可能性がある。

  1. 暗く悲しい気分が1日中続く
  2. これまで好きだったことが楽しめない、興味がわかない
  3. 食欲がなくて体重が減ってきた、または、食べすぎる
  4. 毎日眠れない、または寝過ぎてしまう
  5. イライラして、怒りっぽい。あせる
  6. 疲れやすくて、元気がない。何もやる気がしない
  7. 自分が役に立たない人間だと感じる
  8. 集中力がなくなって、物事を決断できない
  9. 将来に希望がもてず、死んでしまいたいと思う

出典:厚生労働省「気分障害:ヘルプノート」

なお、「睡眠」の専門医に相談したい場合には、睡眠障害外来のあるクリニックや、睡眠医療認定を受けている専門医を探す方法があります。

睡眠障害専門外来のあるクリニックを探して受診する

⇒ 参考:全国の睡眠障害専門外来のある病院・クリニック(Caloo)

睡眠医療認定を受けている専門医を探す

⇒ 参考:日本睡眠学会専門医日本睡眠学会専門医療機関

3. ストレスによって睡眠に問題が起きる3つのメカニズム

さて、ここからは、「病気の発症までは至っていないけれど、ストレスによって睡眠に問題を抱えている」という方向けに、解説を進めていきます。

まずは、ストレスによって、なぜ睡眠に問題が起きるのか、主要なメカニズムを理解しておきましょう。メカニズムを理解すると、効果的な対策を実践しやすくなるからです。

大きく分けて、3つの要素が関連しています。

1. コルチゾールの影響
2. 体内時計の乱れ
3. 精神的な不安感

3-1. コルチゾールの影響

1つめのメカニズムは「コルチゾールの影響」です。

出典:労働安全衛生総合研究所「ストレスホルモンを測る」

ストレスが高まると、体内で「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。

このホルモンは、緊急時に体を活性化させる役割があります。心拍数が上がり、筋肉にエネルギーが供給され、体が緊張状態になります。

動物が危険を察知したとき、素早く逃げたり敵と戦ったりするために、重要なはたらきです。

しかしながら、ゆったりと安心して眠る、穏やかな状態とは真逆になってしまいます。

睡眠の質を高めるためには、過剰なコルチゾール分泌を適性に整えることが必要です。

3-2. 体内時計の乱れ

2つめのメカニズムは「体内時計の乱れ」です。

私たちは、“自分の意思” で起床したり眠ったりしているように感じています。しかし、その大部分は、体内時計によって制御されています。

【体内時計とは?】

概日リズム(サーカディアンリズム)を形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構。生物時計とも呼ばれる。脳内の視床下部の視交叉上核に存在する。

出典:厚生労働省「体内時計」

体内時計は、脳の視床下部に存在しており、約24時間のリズムに合わせて、体内のホルモン分泌や体温などを変動させています。

私たちは、体内時計が形成するリズムによって、眠くなったり目覚めたりしているのです。

ストレスによって体内時計が乱れると、眠るべき時間帯に適切な調節が行われず、睡眠の質が悪化します。

なかでも、重要なホルモンとして覚えておきたいのが、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」です。

メラトニンは夜になると分泌され、眠気を引き起こします。この後、メラトニンの話題が何度も出てきますので、ここで覚えておきましょう。

3-3. 精神的な不安感

3つめのメカニズムは「精神的な不安感」です。

ストレスが高まると、

「心配事が頭から離れず、なかなか寝つけない」

「悩みごとに関連した悪夢を見て、目が覚めてしまう」

といった現象が起きやすくなります。

【不安感が睡眠に与える具体的な影響】

入眠障害:心の中で何度も悩みごとを反すうすることで、自然な眠りにつくのが困難になります。

中途覚醒:不安感が強い場合、夜中に何度も目を覚ましやすくなります。レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れ、質の高い睡眠が取れなくなります。

早朝覚醒:不安やストレスが原因で、朝方に目が覚めてしまい、二度寝ができないことがあります。

私たちの睡眠は、一晩の中でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返すサイクルで成り立っています。

【眠りのメカニズム】

出典:厚生労働省「眠りのメカニズム」

簡単にいえば、ノンレム睡眠は「深い眠り」で熟睡状態です。レム睡眠は「浅い眠り」で夢を見ています。

どちらも心身に必要な眠りですが、眠ってもすぐ目覚めてしまう場合、ノンレム睡眠(深い眠り)に入れていません。

そのため、熟睡感がなく、疲れが取れない感覚が残ってしまうのです。熟睡できるように、睡眠環境を整えることが、重要となります。

4. 睡眠に効果が出やすいストレスケア 6つの方法

ここまでにご紹介したメカニズムを踏まえて、睡眠に効果が出やすいストレスケアの方法を6つ、ご紹介します。

1. リラクゼーションテクニック
2. 朝の日光の取り入れと夜のスマホ回避
3. ストレス耐性を高める栄養補給
4. 睡眠環境の最適化
5. 適度な運動
6. 心配しすぎない・がんばって眠ろうとしない

それぞれ見ていきましょう。

4-1. リラクゼーションテクニック

1つめの方法は「リラクゼーションテクニック」です。

リラクゼーションテクニックは、心と体の緊張を解きほぐし、ストレスを軽減する手法です。

理想は、“ストレスの根本原因を解決して、心からリラックスできること” ですが、それは現実的に難しい方も多いでしょう。

しかしながら、擬似的だったとしても、心身にリラクゼーションを実感させることに意義があります。

「コルチゾール」を過剰分泌して、緊張状態を維持している体に、その必要性がないことを認識してもらうためです。

代表的なリラクゼーションテクニックとして、「呼吸法」が挙げられます。

【呼吸法/リラクゼーション】

Point:呼吸をコントロールすることで不安、緊張などのネガティブな感情を和らげ、そうした感情をコントロール出来る自信を付ける。

呼吸法のやり方

(1)口を閉じて、鼻から普通に息を吸い込む。

(2)口を閉じたまま、ゆっくり息を吐き出す。

(3)息を吐きながら、ゆっくりと自分に対して静かに次のように言う。「リラーーックス」

(4)息を止めて4つ数え、それから次の息を吸う。

(5)この練習を1回10分、1日に数回行う。

出典:NCNP「ストレストラウマ分野 手元資料」

「リラーーックス」

と言いながら、過剰に分泌されたコルチゾールが、静まっていくようなイメージをしてみましょう。

抱えているストレスがあったとしても、

「今、目の前に敵がいて、戦闘や逃走をする必要があるわけではない」

と、体に理解してもらいます。

4-2. 朝の日光の取り入れと夜のスマホ回避

2つめの方法は「朝の日光の取り入れと夜のスマホ回避」です。

これらは、体内時計とストレスケアの双方に効果がある、一石二鳥の方法です。

4-2-1. 体内時計を整える

まず、脳の視床下部にある体内時計は、「目の網膜から受け取る明暗環境」の情報をもとに、リズムを刻んでいることを知っておきましょう。

朝に明るい太陽の光を浴び、夜はできる限り暗い環境で過ごすことが、体内時計を整えるために重要です。

4-2-2. 明るい光はセロトニンにも好影響

明るい光を浴びることは、体内時計を整える以外にも「セロトニン」の分泌に好影響を与えることが、注目されています。

【セロトニンとは?】

脳内の神経伝達物質のひとつで、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをする。

必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつです。視床下部や大脳基底核・延髄の縫線核などに高濃度に分布しています。

他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。

セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック症(パニック障害)などの精神症状を引き起こすといわれています。

近年、セロトニンの低下の原因に、女性ホルモンの分泌の減少が関係していることが判明し、更年期障害と関わりがあることが知られるようになりました。

出典:厚生労働省「セロトニン」

上記のとおり、セロトニンは精神を安定させるはたらきがあり、ストレスケアとしても重要です。

セロトニンが分泌されると「幸福感」を得やすくなるため、“幸せホルモン”とも呼ばれます。

4-2-3. スマホ回避でストレス軽減

一方、夜は、できる範囲で「暗い環境」に身を置くことが役立ちます。

コンビニのような強い蛍光灯の光や、スマホ・パソコンの画面をなるべく避け、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を邪魔しないようにしましょう。

たとえば、「夕食後は間接照明にして、部屋の明るさを落とす」といったルールを作るのもおすすめです。

上記に加えて、スマホの多用は、ストレスに拍車をかけることがあります。

SNSの投稿を見てモヤモヤした気分になったり、衝撃的なニュースが頭から離れなくなったりすると、睡眠時の不安感が大きくなるからです。

スマホから離れる時間を確保することも、ストレス軽減につながります。

4-3. ストレス耐性を高める栄養補給

3つめの方法は「ストレス耐性を高める栄養補給」です。

睡眠ホルモン「メラトニン」と、幸せホルモン「セロトニン」の両方に、密接に関わる栄養素が「トリプトファン」です。

じつは、“メラトニンの材料がセロトニンで、セロトニンの材料がトリプトファン”という関係になっています。

トリプトファンは必須アミノ酸で、「タンパク質」に含まれます。しっかりタンパク質をとりましょう。

【タンパク質が豊富な食材】

・肉類

・魚類

・卵

・大豆

加えて、「コルチゾール」の分泌を正常化するために有効なのが、「ビタミンC」です。ビタミンCは、コルチゾールの分泌時に消費されるため、しっかり補給する必要があります。

【ビタミンCが豊富な食材】

・柑橘類

・キウイ

・パプリカ

・ブロッコリー など

「タンパク質」や「ビタミンC」を意識しながら、バランスのよい食事を心掛けましょう。

4-4. 睡眠環境の最適化

4つめの方法は「睡眠環境の最適化」です。

睡眠環境を丁寧に整えることは、ストレスケアにおいて、非常に重要な要素です。

ストレスが多いときほど、快適な寝室づくりに取り組み、少しでもリラックスできるようにしましょう。

【睡眠環境の最適化の具体例】

寝具の選定:マットレスや枕は、体の形に合ったものを選ぶことが大切です。硬すぎるものや柔らかすぎるものは、体への負担となります。

温度と湿度:室温は、夏は高めで冬は低めとなるものの概ね13~29℃の範囲に収まるようにします。幅がありますので、自分にとって快適な温度を見つけてください。湿度は40〜60%がよいとされます。季節に合わせて除湿または加湿をして、調整します。

照明:前述のとおり、暗い環境がメラトニンの分泌を促し、眠りを深くします。間接照明などを取り入れて、明るさを落としましょう。

音環境:窓やドアを閉め、静かな環境を確保します。騒音が気になる場合は、遮音カーテンや睡眠用の耳栓を利用する方法も検討してください。

参考:NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター「温度、湿度と睡眠」

寝具を選ぶ際には、「寝床気候」にも配慮しましょう。寝具により、身体の周囲に形成される温度・湿度のことです。

気温の変動幅があり、湿度も高くなる日本の気候には「羽毛布団」がおすすめです。関連ページを以下にリンクしますので、参考にご覧ください。

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4-5. 適度な運動

5つめの方法は「適度な運動」です。

運動は、質の高い睡眠に直結する重要な要素です。

前日眠れなかったからといって、日中の活動量を落とすと、寝つきの悪化を引き起こすリスクがあります。

【参考:日中の活動量は落とさないようにしましょう】

眠れなかった翌日は、体がだるく感じ、眠りで解消しきれなかった疲労を解消するために、日中の活動量を減らそうと考えるかもしれません。

しかし、日中の活動量が減ると翌日の睡眠量が減少し、特に寝つきの悪化として現れることも多いので、できるだけ昼間体を動かすようにしましょう。

室内での短時間のエクササイズ、ストレッチも有効です。

出典:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部「睡眠健康を保つために」

運動すると、「エンドルフィン」の分泌が促されるため、ストレスケアにも効果があります。エンドルフィンの別名は「脳内麻薬」です。

【エンドルフィンとは?】

脳内で働く神経伝達物質の一種。鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれる。

脳内で働く神経伝達物質「エンドルフィン」のひとつで、モルヒネと同じような作用をする物質です。

エンドルフィンは、子牛や豚の脳から発見されたもので「体内で分泌されるモルヒネ」を意味しています。モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、気分が高揚したり幸福感が得られるという作用があります。

エンドルフィンにはアルファ(α)・ベータ(β)・ガンマ(γ)の3つがあり、β-エンドルフィンはその中でも苦痛を取り除くときに最も多く分泌されます。

マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにβ-エンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚える「ランナーズ・ハイ」と呼ばれる現象がよく知られています。またβ-エンドルフィンは性行為の際やおいしいものを食べたときなどにも分泌されることが分かっています。

出典:厚生労働省「β-エンドルフィン」

エンドルフィンが分泌されやすい運動としては、ランニングが有名ですが、「ウォーキング」にもその効果があります。

【参考:自律神経への効果】

ウォーキングを続けていると気分が楽になるような感覚を覚える場合があります。

その場合、β(ベータ)エンドルフィンという爽快感や幸せ感を感じるホルモン物質が放出されていることが解明されています。

また、運動による適度な疲労は、睡眠が深くなるという利点もありますので、不眠の解消にもなります。

出典:NIVR「リラクゼーション紹介講座」

運動効果を高めるための歩き方は、以下を参考にしてみましょう。

○ 歩幅を広く取り、歩くスピードを上げることで、さらにエクササイズ(運動)効果を高めることができます。

○ 息が切れるような速さではなく、「ややきつい」と感じる程度のスピードにとどめましょう。

○ 体調が悪いとき、痛みがあるとき、悪天候の場合などには、無理をしないようにしましょう。

○ エクササイズウオーキングの前後にはストレッチングを行いましょう。

○ 暑い日は、水分補給を十分に行いましょう。

出典:健康ネット「ウォーキングの方法」

4-6. 心配しすぎない・がんばって眠ろうとしない

6つめの方法は「心配しすぎない・がんばって眠ろうとしない」です。

これが、なかなか難しいことですが、とても参考になる資料があります。

以下は、2020年4月に「COVID-19 緊急事態宣言のため自宅でお過ごしの皆様へ」として、国立精神・神経医療研究センターが公表した文書の一節です。

今、ストレス環境にいる方にも、お届けしたい内容です。ぜひ、じっくりと読んでみてください。

【眠りが悪化しても心配するのはやめましょう】

ストレスフルで通常の生活を送ることが難しい状況下で、時々現れる眠りの悪化は、むしろ当たり前のことかもしれません。

このような状況では悪い夢を見る頻度も増加する可能性があります。

こうした兆候は、我々の体が現在の環境・状況に適応し、ストレスを解消するための適切な反応であると考えられます。

不眠症状を長引かせる最大の要因は、必要以上に眠りの悪化を不安視し、かえって睡眠を悪化させる悪循環が作られることです。

ご自身の体を信じ、リラクゼーションと体内時計を整えることを重視してください。

出典:国立精神・神経医療研究センター「睡眠健康を保つために」

【眠ろうとするのではなくリラックスすることを心がけましょう】

眠れないときには、頑張って眠る努力をしてしまいがちです。

しかし、頑張って眠ろうとすると、かえって自律神経の興奮を促し、覚醒度が高まる矛盾が生じます。

このため、眠れないときほど眠ろうと努力せず、心身がリラクゼーションできるような環境に身を置き、ゆったりと楽しめる行動をとることが、自律神経を鎮め眠りを促すコツです。

出典:国立精神・神経医療研究センター「睡眠健康を保つために」

全文は「睡眠健康を保つために」から確認できます。

5. まとめ

本記事では「睡眠障害とストレス」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

以下の方は、まずは医療機関の受診をご検討ください。

  1. 気分障害や睡眠障害を発病している可能性がある
  2. 日常生活に支障が出ている
  3. 症状が慢性化している

ストレスによって睡眠に問題が起きるメカニズムとして、以下が挙げられます。

  1. コルチゾールの影響
  2. 体内時計の乱れ
  3. 精神的な不安感

睡眠に効果が出やすいストレスケアの方法として、以下をご紹介しました。

  1. リラクゼーションテクニック
  2. 朝の日光の取り入れと夜のスマホ回避
  3. ストレス耐性を高める栄養補給
  4. 睡眠環境の最適化
  5. 適度な運動
  6. 心配しすぎない・がんばって眠ろうとしない

ストレスで睡眠に問題を抱えている状況はつらいものですが、リラクゼーションと体内時計を整えることに集中して、少しずつ取り組んでいきましょう。

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