
「羽毛布団を買い替えずに再利用する方法は?」
この記事にたどり着いたあなたは、長く愛用し大切に使ってきた羽毛布団が替え時になってきたものの、まだ使い続けたいと考えているのではないでしょうか。
あなたのように、愛用している羽毛布団をこれからも使い続けるために再利用するなら、リフォームがおすすめです。
リフォームは、打ち直しや再生加工とも言います。具体的には、羽毛をクリーニングしたり側生地を新しくして、羽毛布団を復活させる手法です。
羽毛布団のリフォームでできることは、主に4つあります。
羽毛布団のリフォームでできること4つ |
①ボリュームが戻りふかふかになる ②保温力が戻る ③臭いが取れる ④仕様を変更できる(サイズ、生地、厚さ) |
上記のように、羽毛自体のボリュームを戻すことで保温力を復活させ、臭いを除去したり仕様を変更することで、大事な羽毛布団を新しい羽毛布団のように復活させていきます。
羽毛布団のリフォームには種類が3つあります。
羽毛布団のリフォームの種類3つ | |
プレミアムダウンウォッシュ仕上げ | 羽毛を洗浄し、側生地を交換する |
ダウンウォッシュ仕上げ | 羽毛だけを洗浄する |
ふとん生地交換仕上げ | 側生地だけを交換する |
上記のように羽毛布団の状態に応じてリフォーム手法が変わってきますが、状態によってはリフォームできない場合もあります。リフォームを決める際は、事前に業者に実物を確認してもらいましょう。
あなたが羽毛布団を再利用すべきかどうかを正確に判断できるよう、この記事では次のポイントについて詳しく解説していきます。
▼この記事のポイント
◎羽毛布団のリフォームとは ◎羽毛布団をリフォームでできること ◎羽毛布団のリフォームの種類 ◎羽毛布団をリフォームする費用 ◎羽毛布団をリフォームする期間 ◎羽毛布団をリフォームできるケース・できないケース |
この記事を最後までお読みになれば、羽毛布団を廃棄せずに自分で再利用する方法を知り、自分が羽毛布団を再利用すべきかどうかを判断することができます。
大切な羽毛布団を手放すことなく、これからも使い続けられる手助けになれば幸いです。
目次
1.羽毛布団を再利用するにはリフォーム(打ち直し)しよう!
冒頭でもお話した通り、大切な羽毛布団をこれからも使い続けるために再利用するにはリフォームがおすすめです。
羽毛布団のリフォームは、打ち直しや再生加工とも言われ、現状の羽毛布団の羽毛を洗ったり側生地を交換するなどして、新品のように蘇らせる手法です。
具体的には、次のような手順で行われます。
【羽毛布団の基本的なリフォーム手順】
①羽毛布団を解体する ②羽毛を取り出してクリーニング(洗浄)する ③②の羽毛を乾燥させて殺菌する ④業者によっては②〜③を数回繰り返す ⑤足りない羽毛を充填する ⑥新しい側生地で仕立て直す |
上記の工程からも分かるように、羽毛布団のリフォームは今まで自分が使ってきた大切な羽毛布団を活かしています。
「思い出のある羽毛布団を捨てたくない」
「できるだけ長くこの羽毛布団を使いたい」
と思っている人は、ぜひ羽毛布団のリフォームを利用して使い続けましょう。
再利用方法はさまざまあるが自分で使いたいならリフォーム一択 |
羽毛布団を再利用するだけで考えるのなら、方法は他にもあります。 ◎リサイクル:他人や回収業者に羽毛布団を譲る 自分で羽毛布団を長く使いたい、という思いがある人の場合は、あくまでも「リフォーム」を選択することがおすすめです。 |
2.使える羽毛を再利用!リフォームでできること4つ
羽毛布団のリフォームは、ただ羽毛布団を綺麗な状態にするだけではありません。リフォームでできることは、主に4つあります。
次の表をご覧ください。
①ボリュームが戻りふかふかになる ②保温力が戻る ③臭いが取れる ④仕様を変更できる(サイズ、生地、厚さ) |
上記4点について詳しく説明していきますので、ぜひこれからリフォームを検討する際の参考にしてみてくださいね。
2-1.ボリュームが戻りふかふかになる
羽毛布団をリフォームすると、ボリュームが戻りふかふかになります。リフォームの際に従来の羽毛をクリーニングして乾燥させたり、新しい羽毛を補充するからです。
そもそも、羽毛布団のボリュームがなくなるのは、次の2つの原因があります。
羽毛自体が劣化している | 羽毛は、長年使用すると、汚れなどにより劣化します。劣化した羽毛は空気を多く含むことができません。 |
布団内部に湿気が溜まっている | 羽毛布団は吸湿性に優れていて、寝ている時の汗を吸い取ってくれています。長年使うと湿気が溜まってしまいます。 |
羽毛布団のリフォームで羽毛をクリーニングしてしっかり乾燥させれば、またふかふかな状態に戻る可能性があります。
どうしても劣化がひどく元に戻らない場合は、新しい羽毛を充填することで、羽毛布団のボリュームを戻すことができるのです。
2-2.保温力が戻る
羽毛布団をリフォームすることで、保温性能を取り戻すことができます。
「2-1.ボリュームが戻りふかふかになる」でも説明しましたが、リフォームで羽毛のボリュームが戻ります。ボリュームが戻れば、保温性能が復活するのです。
羽毛のボリュームと保温力の関係は、羽毛一つ一つの大きさ「ダウンボール」にあります。
羽毛の保温力を左右する「ダウンボール」とは |
ダウンボールとは、羽軸を持たない羽毛のことです。 分かりやすく言うと綿毛のようなものなので、ダウンボールが大きいと空気を多く含むため、保温力が高まることになります。 |
リフォームでダウンボールが蘇り、羽毛一つ一つに空気を多く含むことができるようになります。そのため、保温力が復活するというわけです。
「最近、羽毛布団をかけても寒い…」と感じている人は、リフォームにより保温性能が復活するかもしれません。ぜひ検討してみてください。
2-3.臭いが取れる
羽毛布団をリフォームすると、嫌な臭いが除去され快適に使い続けることができます。
羽毛布団のリフォームでは、一度羽毛をすべて取り出して洗浄します。その時に、羽毛に付着していた汚れやほこり、水分などが除去されるので、臭いもなくなるのです。
羽毛布団の臭いは、湿気であることがほとんどです。
長年使っていると湿気が溜まり、羽毛に雑菌が繁殖して嫌な臭いを放っています。リフォームにより汚れや湿気を除去すれば、臭いを軽減することができるのです。
2-4.仕様を変更できる(サイズ、生地、厚さ)
羽毛布団のリフォームでは、仕様を変えることもできます。具体的には、サイズや厚さ、側生地の変更です。
例えば、次のようなケースがあります。
【羽毛布団のリフォーム例】
サイズ変更 | ・ダブルの羽毛布団→シングルサイズ ・シングルサイズ2枚→クイーンサイズ |
厚さの変更 | ・ボリューム回復 ・本掛け布団→肌掛け、合掛けの2枚 |
側生地の変更 | ・ポリエステル→綿 ・綿→絹 |
羽毛の割合変更 | ・羽毛を追加して保温力を向上 ・冬用の羽毛を減らして春秋用 |
上記のように、羽毛布団のリフォームは現在のニーズに合わせた仕様変更ができるので、より使いやすくなるでしょう。
3.羽毛布団のリフォームは3種類
羽毛布団のリフォームは、日本羽毛製品協同組合が定める3種類に分けられます。具体的には次の通りです。
羽毛布団のリフォームの種類3つ |
①プレミアムダウンウォッシュ仕上げ ②ダウンウォッシュ仕上げ ③ふとん生地交換仕上げ |
どの方法になるかは、依頼主の希望と羽毛、側生地の状態を総合して決められていきます。
それぞれの種類の内容についてもう少し詳しく説明していきましょう。
3-1.プレミアムダウンウォッシュ仕上げ
「プレミアムダウンウォッシュ仕上げ」とは、羽毛を洗浄し、側生地を新品に交換することを言います。
具体的には次の通りです。
布団を解体して中の羽毛を取り出し、個別に専用洗浄機で水洗い、羽毛の汚れを取り除く。必要に応じて新しい羽毛を補充した後に、新しいふとん生地で仕立て直し加工を施す。 |
参考:日本羽毛製品協同組合
プレミアムダウンウォッシュ仕上げでは、羽毛も側生地も新品のように蘇ります。そのため、次のような人におすすめです。
◎今の羽毛布団を10年以上使っている ◎羽毛布団の機能はもちろん生地の汚れも気になる ◎買い替えるべきだがどうしても今の羽毛布団を使い続けたい |
羽毛と側生地の両方に汚れや機能低下が見られる場合は、プレミアムダウンウォッシュでリフォームしましょう。
3-2.ダウンウォッシュ仕上げ
「ダウンウォッシュ仕上げ」とは、羽毛だけを洗浄することを言います。
具体的には次の通りです。
水を使用して羽毛の汚れを取り除く。必要に応じて新しい羽毛を補充した後に、新しいふとん生地で仕立て直し加工を施したもの。いずれかの行程でふとんの解体を行う。 |
参考:日本羽毛製品協同組合
ただし、ダウンウォッシュ仕上げができるのは、側生地がまだ使える場合に限ります。例えば次のようなケースがおすすめです。
◎側生地は汚れがないが、羽毛のボリュームがなくなってきた ◎側生地は絹で高級。気に入っているが、最近保温性が劣ってきた |
上記のように、側生地がまだ活かせる場合はダウンウォッシュ仕上げで羽毛だけを交換しましょう。
3-3.ふとん生地交換仕上げ
今の羽毛がまだ十分活かせる場合、側生地だけを交換することもできます。
側生地だけの交換の場合、今の羽毛布団から取り出した羽毛を、そのまま新しい生地に充填して仕上げます。
側生地だけの交換は、次のような場合におすすめです。
◎購入してから1年程度なのにジュースの染みをつけてしまった ◎頂いて間もないのにペットが爪で破いてしまった ◎使ってみたら側生地が肌と合わないため、もう少し肌馴染みの良い生地に変えたい |
ただ、側生地だけの交換はあくまでも羽毛が十分使える場合に限ります。羽毛が傷んでいる場合は洗浄や交換が必要になるので注意しましょう。
4.【種類別】羽毛布団をリフォームする費用の相場
羽毛布団をリフォームする費用は、リフォームの種類や工程によって異なります。
リフォームの種類ごとの相場をまとめた次の表をご覧ください。
プレミアムダウンウォッシュ仕上げ | シングルで30,000円〜70,000円 |
ダウンウォッシュ仕上げ | 足し羽毛200g:27,000円〜37,000円 足し羽毛400g:33,000円〜44,000円 ※羽毛を足す量により変動 |
側生地のみ交換 | 40,000〜70,000円 ※生地の種類や量による |
上記はあくまでも目安で、実際に使う羽毛の種類や量、側生地の種類などによって料金は変わってきます。
さらにオプションでも料金が変動します。例えば次の通りです。
・サイズ変更(例/ダブルをシングルに) ・枚数変更(例/2枚を1枚、1枚を2枚) ・厚さの変更(例/冬用を合掛けに) |
羽毛布団の料金は、それぞれの羽毛布団の状態やリフォーム内容、業者によって細かく変わってきます。
依頼してから「高すぎる!」と驚かないためにも、羽毛布団のリフォームを依頼する際は前もってお店で見積もりを取ると良いでしょう。
5.羽毛布団のリフォームにかかる期間は3週間〜1ヶ月程度
羽毛布団をリフォームする際、どのくらいの期間が必要になるのかを知っておきましょう。
リフォーム内容にもよりますが、羽毛布団のリフォームには平均で3週間〜1ヶ月程度かかります。
羽毛布団をリフォームする際は、羽毛布団を解体して中身をチェックし、羽毛を洗って乾燥させ、また詰め直します。
この流れを人の作業で行っていることがほとんどなので、工程一つ一つに時間がかかるのです。
そのため羽毛布団のリフォームは、見積もりも含めて使い始めたい時期の1ヶ月〜2ヶ月前に依頼すると良いでしょう。12月頃から使い始めたいのなら、10月頃にリフォームの依頼を出すのが最適です。
6.羽毛布団をリフォームできないケース3つ
ここまでお読みになった人の多くは、「ぜひ羽毛布団をリフォームしたい!」と考えているのではないでしょうか。
ただ、気をつけていただきたいのが羽毛布団のリフォームはできないケースもあるということです。具体的には次の3つです。
羽毛布団をリフォームできないケース4つ |
①15年以上使用している ②ダウン率が80%未満である ④過去に1回リフォームしている |
上記の表に当てはまる場合は、羽毛布団をリフォームできません。
ご自分の羽毛布団が「リフォームできないケース」に当てはまるかどうかを知るために、次からの詳しい説明をぜひ参考にしてください。
6-1.15年以上使用している
15年以上使用している羽毛布団は、リフォームが難しい場合が多いです。
なぜなら、15年以上経過すると羽毛の傷みが激しいケースが多く、洗浄しても状態を回復できないからです。
羽毛が傷みすぎていると、羽毛自体に膨らむ力が残っていません。そのため、仮に頑張ってリフォームしたとしてもすぐにへたってしまうでしょう。
6-2.ダウン率が80%未満
リフォームしようとする羽毛布団のダウン率が80%未満の場合は、リフォームが難しくなります。
なぜならダウンは洗浄すれば機能を蘇らせることができますが、フェザーは洗浄しても再生させることはできません。
どうしてもリフォームしたい場合は新たに羽毛を足すことになりますが、買い直すよりも高額になってしまうことがほとんどです。
6-3.過去に1回リフォームしている
羽毛布団は、基本的に1回しか行うことができません。
その理由は、1度羽毛を洗浄すると羽毛が劣化することや、何度も継ぎ足すことで通気性が下がってしまうからです。
譲り受けたものでリフォーム歴が分からない場合は、事前に確認しておくと良いでしょう。
以上の4点に当てはまり羽毛布団をリフォームできない場合は、買い直す方法を選択するしかありません。 愛着のある羽毛布団を手放すのは残念ですが、またお気に入りの羽毛布団に出会えるかもしれません。 たくさんある羽毛布団の中でも、品質やコスパ重視で選んだおすすめを紹介している「羽毛布団 おすすめ」の記事を参考に、ぜひお気に入り商品を探してみてください。 |
7.羽毛布団のリフォーム業者を選ぶときの注意点3つ
最後に、あなたが後悔せずに羽毛布団のリフォームを依頼できるよう、業者選びの注意点を3つお伝えしていきます。
羽毛布団のリフォーム業者を選ぶときの注意点3つ |
①HPでリフォーム内容をしっかり確認する ②日本羽毛製品協同組合の認定工場を選ぶ ③羽毛ふとん診断士がいる店を選ぶ |
依頼してから「もっとよく考えて選べばよかった」と後悔しないためにも、3つの注意点をしっかり把握しておきましょう。
7-1.HPでリフォーム内容をしっかり確認する
羽毛布団のリフォームを依頼する業者を選ぶ際は、事前にHPをしっかり確認しておきましょう。
なぜなら、業者によっては、「リフォーム」と謳っていても実は「リサイクル」のことを指していたり、信頼できる実績がない場合もあるからです。
確認すべきポイントは、次の4点です。
【羽毛布団リフォーム業者のHP確認ポイント】
①リフォーム内容が詳しく説明されている ②実績や事例が記載されている ③料金体系が明記されている ④口コミが記載されている |
上記の4点が確認できれば、実際に羽毛布団のリフォーム実績があり、信頼できる業者だということが分かります。
7-2.日本羽毛製品協同組合の認定工場を選ぶ
羽毛布団のリフォームを依頼する際は、日本羽毛製品協同組合の認定工場を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、日本羽毛製品協同組合の厳しい基準をクリアしている工場なら、大切な羽毛布団のリフォームを安心して任せられるからです。
日本羽毛製品協同組合の認定工場では、次の3点が認定されています。
①リフォームの設備設置 ②顧客ごとの品質管理 ③適切な廃棄物の処理方法 |
近くの認定工場は、日本羽毛製品協同組合のHPから確認してください。
7-3.羽毛診断士がいる店を選ぶ
羽毛布団のリフォームを依頼する場合は、羽毛診断士がいる店を選びましょう。
羽毛診断士は、日本羽毛ふとん診断協会が認定する資格で、羽毛診断のプロフェッショナルです。
記事の中でもお話してきた通り、羽毛布団のリフォームは羽毛の状態が鍵を握っています。そもそも羽毛布団がリフォームできるかという点からリフォームした後の状態まで、羽毛の状態を正確に診断することは羽毛布団を快適に使うために欠かせないポイントなのです。
羽毛に関する知識や経験が豊富な羽毛診断士がいるお店なら、羽毛布団の状態や解決策を的確に導き出してくれるので安心です。
8.まとめ
いかがでしたか?羽毛布団を再利用する方法について詳しく解説してきました。
最後にこの記事をまとめましょう。
◎大切な羽毛布団を使い続けたいならリフォームがおすすめ
◎羽毛布団のリフォームでできることは次の4つ
①ボリュームが戻りふかふかになる ②保温力が戻る ③臭いが取れる ④仕様を変更できる(サイズ、生地、厚さ) |
◎羽毛布団のリフォームの種類は3つ
①プレミアムダウンウォッシュ仕上げ ②ダウンウォッシュ仕上げ ③ふとん生地交換仕上げ |
◎羽毛布団をリフォームする費用相場は、羽毛を足す量やリフォームの種類にもよるが、主に次の通り
プレミアムダウンウォッシュ仕上げ | シングルで30,000円〜70,000円 |
ダウンウォッシュ仕上げ | 足し羽毛200g:27,000円〜37,000円 足し羽毛400g:33,000円〜44,000円 ※羽毛を足す量により変動 |
側生地のみ交換 | 40,000〜70,000円 ※生地の種類や量による |
◎羽毛布団のリフォームにかかる期間は、平均で3週間〜1ヶ月程度
◎羽毛布団をリフォームできないケースは3つ
①15年以上使用している ②ダウン率が80%未満である ③過去に1回リフォームしている |
◎羽毛布団のリフォーム業者を選ぶ時の注意点3つ
①HPでリフォーム内容をしっかり確認する ②日本羽毛製品協同組合の認定工場を選ぶ ③羽毛ふとん診断士がいる店を選ぶ |
以上になります。
思い出が詰まった大切な羽毛布団をできるだけ長く使いたいなら、羽毛布団のリフォームがおすすめです。
あなたが羽毛布団のリフォームについて理解を深め、愛着ある羽毛布団を使い続けられることを願っています。
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